格安SIMと言えば、ほとんどがドコモ回線というのもすでに昔の話。au回線に加えて、昨年からはソフトバンク回線の格安SIMが本格的に登場。たとえば、mineoやLINEモバイルは、ドコモ/au/ソフトバンクと3つのネットワークのSIMを用意しているなど選択の自由度が高まっている。
マイナーな端末にとって有利なソフトバンク回線のSIM
ソフトバンク回線を選ぶ理由としては、一般にはソフトバンクが販売したスマートフォンが使えるという点があるのだが、ドコモと違ってSIMロックの範囲が複雑なうえ、ソフトバンクのマークがついたスマートフォンでも格安SIMで利用するにはSIMロック解除が必要なものがあったりと少々ややこしい。格安SIM事業者の対応端末情報などを見ると確認できるが、わかりやすいとは言いがたい。
それよりもここで紹介したいメリットは対応バンドや通信方式の問題だ。ドコモとauのプラチナバンドでの周波数(バンド18または19)は世界的に見ればマイナー。海外メーカーのスマートフォンでは対応しているとは限らない。しかも、auネットワークでの音声通話の利用にはau VoLTE対応も必要だ。
ソフトバンクのネットワークならば、プラチナバンドはバンド8(900MHz帯)で世界的にも対応している機種が多い。日本国内向けに対応周波数帯を変更せずに導入するスマートフォンもあるため、プラチナバンドを利用するならソフトバンクネットワークにするしかないというケースがある。
具体的な例を挙げると、手のひらサイズで話題の「Palm Phone」がある。ドコモのプラチナバンドであるバンド19には対応していないものの、3GやLTEで共通のバンド1(2.1GHz帯)には対応するため、ドコモ系SIMで使えないわけではない。ただし、エリア面で不利になる。しかし、同機でもバンド8には対応している。
日本向けにネットワーク対応を最適化せずに導入できることもあって、Palm Phone以外にも(国内で提供されているプラチナバンドでは)バンド8しか対応しない端末はこれまでにもあり、今後もマイナー機種やキワモノ機種を中心に同様のケースが発生する可能性が高い。
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