今回はHPの2回目、同社初のコンピューターシステムを開発するまで……と思っていたら、大きなニュースが入ってきたので、久々にスーパーコンピューターの話をしよう。
FrontierはAMDのEPYCおよび
Radeon Instinctがベース
米国時間の5月7日、米エネルギー省はオークリッジ国立研究所に2021年から納入されるFrontierというエクサスケールスパコンの第2弾をCrayと契約することを発表したが、このCrayが納入するシステムはAMDのEPYCおよびRadeon Instinctをベースとしたものになることが同時に明らかにされた。
まずは発表内容だが、エネルギー省とオークリッジ国立研究所、それとCrayは、2021年からオークリッジ国立研究所に設置を開始する、世界最高速のスパコンであるFrontierを共同で構築する契約を結んだ。
ターゲットとなる性能は1.5 EF(ExaFlops)で、契約の総額は6億ドルを超えるとしている。CrayはこのFrontierを、同社のShastaアーキテクチャーおよびSlingshotというインターコネクトで構築するが、このShastaというアーキテクチャーは複数種類のプロセッサー/GPUとインターコネクトを許容する構成になっている。
そして今回Crayは、AMDのカスタムEPYCチップとRadeon InstinctをこのShastaに組み合わせるという選択をした。

この連載の記事
-
第813回
PC
Granite Rapid-DことXeon 6 SoCを12製品発表、HCCとXCCの2種類が存在する インテル CPUロードマップ -
第812回
PC
2倍の帯域をほぼ同等の電力で実現するTSMCのHPC向け次世代SoIC IEDM 2024レポート -
第811回
PC
Panther Lakeを2025年後半、Nova Lakeを2026年に投入 インテル CPUロードマップ -
第810回
PC
2nmプロセスのN2がTSMCで今年量産開始 IEDM 2024レポート -
第809回
PC
銅配線をルテニウム配線に変えると抵抗を25%削減できる IEDM 2024レポート -
第808回
PC
酸化ハフニウム(HfO2)でフィンをカバーすると性能が改善、TMD半導体の実現に近づく IEDM 2024レポート -
第807回
PC
Core Ultra 200H/U/Sをあえて組み込み向けに投入するのはあの強敵に対抗するため インテル CPUロードマップ -
第806回
PC
トランジスタ最先端! RibbonFETに最適なゲート長とフィン厚が判明 IEDM 2024レポート -
第805回
PC
1万5000以上のチップレットを数分で構築する新技法SLTは従来比で100倍以上早い! IEDM 2024レポート -
第804回
PC
AI向けシステムの課題は電力とメモリーの膨大な消費量 IEDM 2024レポート -
第803回
PC
トランジスタの当面の目標は電圧を0.3V未満に抑えつつ動作効率を5倍以上に引き上げること IEDM 2024レポート - この連載の一覧へ