無人店舗化を一気に進めたい
そのほかにも、店舗内に設置したカメラやセンサーによって、商品の展示状況、来店客の動きなどを把握し、店員が腕に巻いたウェラブルデバイスのディスプレーに、最新の状況や業務指示を表示し、効率的な業務を行なうことができる業務アシストシステムを導入。
ディスプレーに、「加工食品がなくなりました。確認してください」「共用トイレ確認」といった表示の情報をもとに、商品棚への在庫補充やトイレ掃除を指示したり、長時間駐車のクルマを確認したりするなど、的確な業務ができるようにする。
これにより、店員業務の高位平準化や、店長の指示業務の軽減、店舗の品質やサービス向上、店内の清潔さのレベルを高めることができるようになるという。
また、約3000個の電子棚札を導入して、価格表示の効率化や値札情報の正確性向上を実現。さらに店舗内のカメラやセンサーを活用した「滞留ヒートマップ」や、スマートフォンアプリによるアンケートなどを組み合わせたデータ経営の実践、スマートフォンアプリで注文および決済した商品を、店員が店舗でピッキングし、直接配達するモバイルオーダーの実証も進める。
店内には、パナソニックが開発した「対面ホンヤク」も導入しており、外国人の来店時にも、日本語だけで、多言語コミュニケーションが図れる。
ファミリーマートの澤田貴司社長は「パナソニックが持つ技術を駆使した店舗の開店に、とてもワクワクしている」とする。そして「省人化のあらゆる可能性を追求する一方で、無人店舗化に向けた取り組みが実現できるならば、これをきっかけに一気に攻めたい」と意欲をみせる。
ファミリーマート佐江戸店が、次世代コンビニエンスストアの道を開くことになりそうだ。
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