メカメカしい重厚な外観と、背筋が引き締まるような高解像度に注目
新進ブランド「Acoustune」をミニレビュー、パッキリと冴えたサウンドが好印象
2019年03月22日 11時00分更新
ダイナミック派は要チェック、超高解像度なAcoustune製イヤホン
抜群の解像感とワイドレンジな聴感で、一部のコアユーザーから熱烈な支持を集めてきた「Acoustune」(アコースチューン)。香港で2013年に設立されたイヤホンブランドで、Pentaconn端子(4.4mm5極のバランス駆動用端子)の供給などで知られる日本ディックスとも関連が深いブランドだ。
これまでもe☆イヤホンやフジヤエービックなど、ヘッドホン専門店で購入できたが、4月1日から輸入販売代理店がアユートとなり、より広い販路で販売されることになった。価格はすべてオープンプライスだが、記事内の価格はアユートの直販サイト「アキハバラ e市場」を基準にしている。専門店や量販店では10%程度の値引きやポイント還元があるので、従来と変わらない価格で手に入れられるはずだ。
特徴ある振動板と筐体構造が技術的な特徴
現行モデルでは、直径10mmの第3世代ミリンクスドライバーを採用した「HS15」シリーズと、第4世代の「HS16」シリーズがある。ミリンクスはこの振動板の素材で、人に移植するバイオマテリアル(生体材料)として医療用途でも用いられているものだという。振動板にとって理想的な「薄さ」「軽さ」「強さ」といった特徴を兼ね備えている。第3世代では振動板が薄型化、第4世代では磁気回路が強化された。
また、“モジュラーメタルボディー”という構造も特徴的だ。内側のドライバー収納部(音響チャンバー部)を筒状の金属パーツ(ダンパーロッド)にし、MMCX端子などは別の金属パーツ(機構ハウジング部)に取り付けている。まず、ドライバーを適切な音の反響が得られる部屋に密閉。ここは内部の音の反射もダンピングに利用する。一方、イヤホンの機能として必要な「耳に合った形状」にしたり、「ケーブル着脱用の端子などを取り付ける」ための部分はこれと完全分離して、音質に悪影響を及ぼす振動などを排除する考え方のようだ。
外観はほぼ同じだが、使用する金属の違いとミリンクスドライバーの世代で3機種がある。最も安価な「HS1551CU」は真鍮/銅製。同じ素材でドライバーを第4世代にしたのが「HS1660CU」、第4世代ドライバーでステンレス製にしたのが「HS1670SS」となる。下2桁が価格帯、最後の文字が機構部の素材と考えると分かりやすい。なお、HS1551CUの機構部はバーガンティーとグランブルーの2色展開、HS1660CUはマットブラック(音響部は真鍮製でともにゴールド)、HS1670SSはガンメタル(音響部はステンレス製でシルバー)となる。
製品名と実売価格 | ||||
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製品名 | 直販価格 | ドライバー | 素材 | ケーブル |
HS1670SS | 7万6980円 | 第4世代 | ステンレス | シルバーコートOFC |
HS1660CU | 6万5980円 | 第4世代 | 真鍮/銅 | シルバーコートOFC |
HS1551CU | 5万4980円 | 第3世代 | 真鍮/銅 | OFC |
なお、HS16/HS15シリーズはドライバーの世代に加え、ケーブルも異なる。HS15は極細のOFC線を並行型に編組したもの。HS16は銀コートした導線を編み込んだより高級感あふれるものとなっている。