ランダムリードでも効果は絶大だがライトは厳しめ
次に、同じくベンチマークソフト「TxBENCH」を利用して1GB~64GBのアクセス範囲における4KBランダムリード/ライト QD32の速度を測っている。ランダムリードは30秒間の平均速度。ライトはSLCキャッシュの容量を超えないように、4GBぶんのデータのライトを行なったときの平均速度を計測した。
まず、リードの結果だが、HMBで確保したメモリーでキャッシュ可能なエリアにおける効果は絶大だった。その効果の大きさは、970 EVO Plusと比較してもわずかに遅い程度の速度を実現していることからもわかる。
一方で、HMBのオンの場合にBG4がデフォルトで確保するメモリー容量は61MBだが、この容量におけるキャッシュの有効エリアは32GBに届いていない。HMBで確保する容量を64MBまで拡大すると、キャッシュの有効エリアが48GBまで広がる。しかし、キャッシュの有効エリアから外れだすと速度が低下し、最終的にはHMBオフの状態と同じ速度(300MB/s強)にまで落ちる。
ただし、BG4はキャッシュの有効エリアから外れた状態でもBG3より100MB/s以上速い。この結果はBG4がBG3と比べて、さらなる高速化が図られていることを示すものだ。また、注目したいのがHMBオフ時の速度だ。HMBオフ時のキャッシュ有効エリアは1GBほどで、2GB以降は速度が低下している。DRAMレスSSDの場合、キャッシュ有効エリアは1GBほどであることがこの結果から推測できる。
ランダムライトの結果は、HMBによるメリットが現状では大きくないことを示している。DRAMを搭載する970 EVO Plusの速度はまったく低下していないのに対し、BG4はHMBをオンにした場合でも2GBのエリアまでは速度を維持するものの、その後は急激に速度が低下。48GBのエリアではHMBをオフにしたときと同じ速度になった。
2GBまでは速度を維持しているため、HMBの効果がまったくないとは言えない。しかし、現状ではリードほど大きな効果が得ることはできないと考えるべきだろう。また、4GB~32GBのエリアにおいて、BG4はBG3よりも遅くなっている。この原因はメーカーによると、データセンターの性能指標として利用されている100ms以上のレイテンシーの発生を抑えることを重視した設計に変更したためだという。

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