2019年3月14日、アプリケーションパフォーマンス管理(APM)を手がけるNew Relic(ニューレリック)は、初開催の自社イベント「FutureStack Tokyo」の開催にあわせて記者発表会を実施した。登壇した米New Relic CEO ルー・サーニー氏は、グローバルでの実績を強調するとともに、アプリケーションへのフォーカスを差別化要因として挙げた。
グローバルで1万7000社の実績を持つAPM
2008年に創業したNew Relicはクラウド型のAPMサービスを提供するベンダーで、AirBnB、GitHub、MLB(Major League Baseball)グローバルでは1万7000社に上る。昨年8月には日本法人New Relicを設立しており、ユーザー企業も楽天、JapanTaxi、Sansan、ミクシィなど、すでに数百社を超えているという。
米New Relic CEOのルー・サーニー氏は、「A more perfect internet」というNew Relicのビジョンを披露し、そのための手段としてインターネットでの計測(モニタリング)が重要になると説明した。また、サーニー氏はMLBでのリアルタイム配信の事例を挙げ、「気に入ったプレイヤーを視聴者に見てもらうのは、システムの調和が必要で非常に難しい」と指摘。これを実現するためには、複雑なシステムの構成要素を計測する必要があるが、個別のツールを用いると管理も複雑になり、ユーザーエキスペリエンスも低下するという。
これに対して「One Place To See It All」を謳うNew Relicは、システム全体を包含する形でエンドユーザーの体験、アプリケーション、インフラ、さらにはビジネスの成長までをモニタリングできる。昨年からDataDogやSumoLogicなどクラウド型の監視・APMツールのベンダーが日本に次々進出しているが、New Relicのメリットとして「アプリケーションにフォーカス」「クラウド型での提供」「導入が容易」「問題の検知が容易」「スケールが容易」「最新テクノロジーに対応」などを挙げた。特に差別化ポイントとしてAPM分野での実績を強調しており、「UXは顧客満足度を左右する。われわれは複雑なアプリケーションをリアルタイムにモニタリングできる」(サーニー氏)とアピールした。
日本法人であるNew Relic 代表取締役社長の小西真一朗氏は、世界第2位のAPM市場である日本に期待するとともに、基本戦略として「すべてのお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援する」を掲げる。また、ジャパン・クラウドと合弁で設立された日本法人の設立については、「長期的な投資と位置づけ、明確なコミットメントをもって設立している」と強調。今後数年で数百社の顧客基盤をさらに積み上げ、会社の規模も100名以上に引き上げていきたいと語る。