さらなる高音質化を実現したサウンド面
――スピーカーの構成は?
立川氏 大きいのがサブウーファーで、これがベース部分のまんなかに下向きで入っています。小さいほうはステレオスピーカーで、設置場所はベース前面の左右です。
――サブウーファーはユニットがふたつありますけど、この役割は?
村松氏 ウーファーとパッシブラジエーターですね。今回はAV関連の機能を詰めたベース部分をなるべく低くしたいということで、ユニット自体もできる限り薄く、かつサブウファーとしての能力を上げるという目標がありました。そこで前モデルではバスレフポートを取り付けたウーファーだったんですけどそれをやめて、パッシブラジエーターというもので低域の増強を図っています。
そもそもウーファー1個だけですと、どうしても振動が増えちゃうんですね。するとサブウーファーのすぐ上にあるODD(光学ドライブ)が振動の影響を受けてしまうので、少しでも振動の影響を減らすためにパッシブラジエーターを対抗で配置しました。これによって従来に比べて低音は増強しているけれども振動は抑えられ、かつユニット自体をなるべく薄くできているんです。
あと、どうしてもベース部分を薄くしたいもんですから、接地面とのすきまもなるべく低くしました。だけどあまり狭くすると音をふさいじゃうことになるんで、実際にキチンと測定して影響のないギリギリの低さに決めています。
――従来モデルに比べて、サウンド面はどのように変化しているのでしょうか?
村松氏 やはり低音の量が増えてますね。いろんな要素があるので単純には言えないんですけど、F0(エフゼロ)と言われるようなところが前モデルはダラダラと上がっていたのに対して、新しいモデルではわりとスッと上がるようになっています。そのスッと上がっているぶん、低音の量が増えているように見えますね。
――F0は何Hzヘルツぐらいですか?
村松氏 F0は100Hz前後で、クロスオーバー周波数は300Hzとかその前後です。サブウーファーの部分で人の声を鳴らしちゃうとダブついてしまうので、ウーファー自体には声の部分がかかるか/かからないかぐらいにしているんですよ。男性の下のほうで300Hzとかそれくらいなんで、ウーファーは逆にそのへんをカットするようにしています。
――300Hzより下はウーファーが担当して、それより上はフルレンジのステレオスピーカーが担当するというイメージですね。
村松氏 そうですね。それにより、低音の立ち上がりが比較的早くなっていると思います。