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山谷剛史の「アジアIT小話」第162回

中国製のスマートディスプレーで、中国発のAIバーチャルアイドルを育成した

2019年02月24日 10時00分更新

文● 山谷剛史 編集● ASCII編集部

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筆者が購入したのは、中国の主要ネット企業が発売しているメジャーな製品ではなく、バーチャルアイドルを育てられるという「HE琥珀」という製品だ

AmazonやGoogleに続いて、中国ネット企業大手も
次々とディスプレー付きのスマートスピーカーをリリース

 Amazon「Echo Show」に代表されるスマートディスプレー製品は、中国メーカーからも昨年に発売されている。大手では百度(バイドゥ)の「小度在家(シャオドゥ ツァイジャ)」や、騰訊(テンセント)の「騰訊叮当(タンシン ディンダン)」、阿里巴巴(アリババ)の「天猫精霊CC(ティエンマオ ジンリン)」などがある。

 これらはEcho Showを追随したもので、音声による質問に回答するだけでなく、自社が所有する音楽サイトや動画サイトの音楽の無料再生が可能となっている。

 最安値の小度在家は、現在は最安値で379元(6000円強)。天猫精霊CC(2019年1月発売、499元)や騰訊叮当(2018年12月発売、899元)は発売されたばかりだが、やがて3社がスマートディスプレイの土俵で価格競争をするのだろう。

 今年の中国のEC祭りの6月18日や11月11日あたりには、5000円程度で買える程度には値段は落ちるのではないだろうか。ハイテクに関心のある中国人にとってこのハードルはそう高くはない。各社がリリースする格安スマートディスプレーは、自社が所有するサービスを利用させるための入口になっているといえる。となると、中国では大手ネット企業以外の製品は勝ち目がなさそうだ。

 しかしマイナー路線で生き残りそうな興味深い製品はリリースされている。Gowild狗尾草科技という会社が出している「HE琥珀」という空中ディスプレイを採用したスマートディスプレーだ(表示するだけで触ることはできない)。

 同社が開発したバーチャルアイドル「琥珀(フゥポー)」が声に応じて空中ディスプレー上で動く、中国のハイテクと独自キャラクター(IP)が組み合わさったイマドキの製品といえる。文面からすでに尖った製品だというのは伝わるかと思うが、値段は999元(約1万6000円)とギリギリ1000元を切る価格を実現しており、人柱として買ってみたくなる魅力がある。

 同社は「琥珀虚顔(Holoera)」というピラミッド状の機器にバーチャルアイドルの琥珀を投影するという、これまた尖った製品もリリースしているが、こちらは1999元(約3万2000円)。ならばと前者の「HE琥珀」を思い切って購入した。

マイナーメーカーのスマートディスプレーを購入
まだそれほど人気がないバーチャルアイドルを育成できる

 バーチャルアイドル「琥珀」は、2016年に誕生した「世界初の人工知能をもつバーチャルアイドル」だという。その後自身の曲も作られ歌っているが、ボーカロイドではない。

こちらがその琥珀。中国でもメジャーな存在というわけでない

 簡単にプロフィールを紹介しよう。年齢は秘密とされ、身長は167cm、体重は48kg、スリーサイズはB87/W59/H91となっている。2015年に「瓦歌という星から地球にやってきて」、2016年2月に「Master whoと出会い、芸能人デビューのための訓練」をし、2016年7月に「芸能人としてデビュー」し、2016年9月に「自身の曲を発表」している。人の信じる心を集め、危機にある出身の星「瓦歌」を救おうとしている――と設定が細かい。歌で宇宙を救うという、マクロスのような設定である。

 ただし正直なところ、その人気は初音ミクなどと比べるまでもない。また、ECサイトの淘宝網で見ると、琥珀の抱き枕製品もいくつかあるものの、ファングッズはほとんど出ていない。掲示板サービス大手の百度貼baにおいては、琥珀は1203人が注目し、4422スレッドなのに対し、初音ミク板は112万人1063万スレッドと桁違いである。とはいえ、中国の独自キャラは最初はあまり人気が出ないのがよくある話。せっかくだから中国企業が生んだ世界初の人工知能バーチャルアイドルと戯れてみることにした。

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