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山谷剛史の「アジアIT小話」第56回

これは懐かしい! インドネシアの東京メトロ車両に乗ってみた!

2013年09月19日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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インドネシアで並んで停まる東急車両
インドネシアで並んで停まる東急車両

 「多摩急行 綾瀬」と表示された東京メトロ副都心線のような赤茶色のラインが入った車両がやってきた。たまに営業運転中なのに「試運転」と日本語で書かれた車両も走る。とはいっても東京ではなく、インドネシアの首都ジャカルタの話である。

 ジャカルタとその衛星都市をつなぐ鉄道網「KRLジャボタベック」 (KRL Jabotabek)では、日本からジャカルタに渡った東京メトロや都営地下鉄、東急、JRの車両などがカラーリングを変えて人々の足となっている。

出発を待つ多摩急行綾瀬行。日本にはない色彩のラッピング車両だ

 ラッピング車両も走るが、日本人の感覚とは異なる色彩の列車もやってくる。日本でおなじみの車両だから、すでに日本人によるマニアックなKRLジャボタベックのサイトもあるし、日本語のWikipediaのページも写真混みで充実している。

 以前は行先表示が「柏」行きや「快速 西船橋」行きのもあったが、今やおなじみの行先は「多摩急行 綾瀬」行きなどわずかになったようだ。

 東京で生まれ育った人にしろ、東京で働いている人にしろ、地下鉄の乗車は生活の一部分(少なくとも筆者はそうだ)。あの列車に乗ると、たとえ異国の地だろうと、日本に戻ったかのように緊張の糸が切れる不思議な感覚となる。

切符はこのようなデザインのものが混ざることがある 車内は日本のそのままだ
切符はこのようなデザインのものが混ざることがある車内は日本のそのままだ
日本の注意書きもいくつか 非日本的な車窓にワクワク
つり革など日本の注意書きもいくつか非日本的な車窓にワクワク

 普段はものすごく人が乗るそうだが、筆者が訪れたのはラマダン明けの大型連休で人々が帰省するため、日本での平日の昼間くらい乗客は少なく、乗客数も走行音もエアコンの効き具合も広告スペースも同じであることが日本っぽさに拍車をかける。乗車マナーも決められていて、乗客は日本同様、静かに座っている。

おなじみの車両が勢ぞろい 行先案内にはおなじみの車両が勢ぞろい

 いくつか路線はあるが、最新の時刻表によれば、主要路線では1時間に4、5本は走っている。駅についてプラットフォームであれやこれや見ているうちに電車はやってくるので待たされるという感覚はない。

乗換駅。一部の車両では乗るのが大変
乗換駅での移動

 車両こそ同じだが、駅の造りは(特に乗換駅で)日本とは異なり、そのミスマッチングが面白い。「ジャカルタで日本の車両に乗りたいがさりとて怖そう」と思う読者はいるかもしれないが、「駅の近くのショッピングモール」など目的地さえはっきりしていて、人通りの少ない路地などに迷い込まなければ危険という感じは受けなかった。

ターミナルのジャカルタコタ駅 メトロ車両に東急車両だとまるで渋谷駅のよう
ターミナルのジャカルタコタ駅メトロ車両に東急車両だとまるで渋谷駅のよう

 家族でジャカルタに行くなら、ターミナル駅のジャカルタコタ駅北側が観光地なので、そこへ行く理由をかこつけてKRLジャボタベックに乗るとよいかと思われる。

 地場のインドネシアのサイトではもっとも有名なのは、掲示板サイトの「kaskus」。さまざまな話題の中には、最新の時刻表情報をアップする書き込みや、「イスから暖かい空気が出ないのは暑いジャカルタだからか」といった素朴な疑問など、KRLジャボタベックの話題も出ている。

 最近では山手線などで走っていたJR205系がジャカルタに運ばれている。kaskusのネットの声は、直球的な歓喜の声はないものの、「ボロ車両」と呼ぶこともなく、鉄分が多いマニア同士の論議が繰り広げられていた。つまり歓迎のようである。

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