B2B向けEコマースプラットフォーム、ビジネス購買ならではの豊富な機能、CRM連携による顧客体験
「Salesforce B2B Commerce」提供開始、ビジネス購買も顧客体験向上
2019年02月08日 07時00分更新
セールスフォース・ドットコムは2019年2月7日、Eコマースプラットフォーム「Salesforce B2B Commerce」の国内提供を開始した。「Commerce Cloud」製品群のひとつに位置づけられており、従来から提供する「B2C Commerce」がコンシューマー(一般消費者)向け販売を支援するものであるのに対して、B2B Commerceはビジネス購入者向けのコマースプラットフォームとなる。すでに50カ国以上の3000サイトで利用されているという。
セールスフォース・ドットコム 執行役員 Commerce Cloud担当の竹内賢佑氏は、B2B Commerceは「高度にブランディングされたEコマースでのショッピング体験を、ビジネス購入者向けにも実現することを支援する製品」だと説明した。同社のCRM製品と組み合わせることで、インテリジェントで統合された購買体験を、あらゆるチャネル/業種で横断的に利用できるとしている。
B2B Commerceは、コンシューマー向けのコマースプラットフォームのような利便性の高いユーザーエクスペリエンスを提供し、さらにアカウントの階層化や複雑な価格設定、顧客ごとのカスタムカタログ、ワンクリックでの大量再発注、個別の値引き交渉、複数の発送拠点や決済方法の管理、数百~数千のSKUに基づく発注機能など、複雑なB2Bコマースに求められる機能も提供することで、ビジネス購買業務の簡素化と効率化を実現する。
こうした機能によって、販売側企業はデジタルコマースへのシフトを加速することが可能になり、一方でビジネス購入者は手軽にオンラインでの製品閲覧や購買が可能になる。ビジネス購入者向けの画面には、販売元の契約に基づいた価格や販売条件が反映されるため、そうした問い合わせを行うことなく即座に購買を完結できるという。
同社 マスターソリューションエンジニアの大川宗之氏は、一度販売画面を作れば画面サイズに合わせてレイアウトが自動調整され、モバイルデバイルにも対応すること、また“おすすめ商品表示”や“絞り込み検索”“製品比較”といった機能も用意していることなどを挙げて、「まるでAmazon.comを使っているような機能が用意される」と述べた。なお、販売元にはクーポン発行機能も提供される。
さらに、セールスフォースのCRM製品やその他の顧客データを組み合わせることで、顧客情報の一元管理ができるメリットもある。Marketing Cloud、Sales Cloud、Community Cloud、Service Cloudといった、同社製品群との連携によるシームレスな顧客体験も実現できるという。
「たとえばヘルプテスクへの問い合わせ、購買履歴、情報更新、オンラインコミュニティへの質問など、B2Cでは何年も前から提供されてきた機能を提供する。これ(B2B Commerce)をいち早く導入した企業は競合優位性を持つことになるだろう」(竹内氏)
さらに、同社 ソリューションエンジニアの吉井平八郎氏は、CRMの顧客データとの統合によって“360°ビュー”による営業活動の支援、ダッシュボードを通じた購買履歴分析などが可能になるほか、「サイト上でのカート放棄(購買操作の途中放棄)が多い場合には、それを解決するための自動化ツールなども用意されている」と説明した。
「ビジネス購入者も“コンシューマー化”しており、従来のようなレガシー環境を通じて購買するのではなく、たとえばスマートフォンから在庫補充の発注をしたいといったニーズが増えている。しかし、企業には(B2Bコマースで)をれを実現するのは困難だという認識もある。セールスフォースの製品を使っている顧客であれば、苦労することなく新たなB2Bコマースの購買体験に移行し、簡素化と効率化が実現できる」(竹内氏)