このページの本文へ

BI/データ分析とAI/機械学習をプラットフォーム統合「データから気づき、業務改善まで短期間で」

セールスフォースが「Einstein Analytics Plus」を提供開始

2019年01月23日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 セールスフォース・ドットコムは2019年1月22日、国内提供を開始した「Einstein Analytics Plus」についての記者説明会を開催した。プラットフォームに組み込まれたAIエンジンとSalesforce上のデータや外部データを活用し、「Sales Cloud」「Service Cloud」といった業務アプリケーション上でエンドユーザーが簡単に「洞察分析」や「将来予測」を行い、具体的な業務アクションにもつながる機能群を提供する。

セールスフォースが提供を開始した「Einstein Analytics Plus」

セールスフォース・ドットコム マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアマネージャーの大森浩生氏

セールスフォース・ドットコム セールスエンジニアリング本部 Analytics Specialistの久保良太氏

 Einstein Analytics Plusは、従来提供してきたデータ分析/BIツール「Einstein Analytics(旧称:Analytics Cloud)」やデータ探索ツール「Einstein Discovery(旧称:Wave Analytics)」を統合し、Salesforceプラットフォームに組み込まれたEinsteinのAIエンジンを利用して提供するオプション機能群だ。プラットフォームの統合によって、これまでのように外部サービスとしてではなく、「Sales Cloud」「Service Cloud」といった業務アプリケーション群とシームレスなかたちで利用できるようになった。

 発表会に出席した同社 プロダクトマーケティング シニアマネージャーの大森浩生氏は、Einstein Analytics Plusは「誰もがアナリティクステクノロジーを使える」ようにすることを目標として、プラットフォームへのAI組み込みのほか、将来予測に基づく「推奨」行動の提示、業務プロセス(ワークフロー)への連携、ノンコーディングでのアナリティクスモデル構築、AIによる判断理由の提示(透明化)といった特徴を実現していると説明する。

 たとえば、Einstein Analytics Plusを導入することで、従来から提供されているレポート/ダッシュボードから直接、AIによるアナリティクス機能を利用できるようになる。Salesforce上にあるデータから、画面上にあるボタンをクリックするだけでAIが洞察を導き、提示してくれる(Einsteinデータインサイト)。

「たとえば自社の取引先リストデータから、どんな規模、売上高の顧客が多いのかといった“傾向”をクリックだけで導き出せる」(大森氏)

 同社 Analytics Specialistの久保良太氏が披露したデモでは、Sales Cloud、Service Cloudにおける活用例が紹介された。営業担当者向けのSales Cloudでは、個々の顧客情報を表示するページの脇に、Einstein Discoveryが予測した「ライフタイムバリュー(売上見込予測)」とその「予測根拠」、さらに売上の向上を促すと考えられる「改善策」などが表示されていた。同様に、営業マネージャー向けのダッシュボードでは売上フォーキャストが、またサービス部門向けのService Cloudでは顧客からの問い合わせケース情報に「離反率予測」やその根拠、改善策などが組み込まれている。

ISPのサービス部門をイメージしたService Cloudのデモ。過去データに基づき離反率予測が高い理由、改善のために取るべきアクションが具体的に示されている

 またEinstein Discoveryによって、Salesforce上のデータだけでなく外部システム/データベースも含めた多数のデータソースを組み合わせ、それぞれの相関性の分析と探索、予測を自動化できる。外部データソース(ERPやHCM、SCM、データベースなど)と接続するためのコネクタ群があらかじめ用意されているほか、昨年買収したMuleSoftの統合プラットフォームも活用すればより多くのデータソースとのインテグレーションとデータ取り込みが可能になる。さらにデータプレパレーション(データの前処理)作業においても、欠損値の発見と修復、クリーニング、結合といった処理にAIの能力を活用するという。

 AIに基づく洞察や将来予測においては、しばしば判断理由の不透明さ=ブラックボックス化が問題となる。Einsteinでは洞察の「根拠」や精度、分析モデルのメトリクスなどを示すことで透明性を担保し、バイアスの修正もできる仕組みを設けている。モデルの精度改善においても、Einsteinによるガイド機能が備わる。

 また、こうしたアナリティクスの結果をエンドユーザーに展開していくための新たなテンプレートを50種類以上用意しているほか、ダッシュボードと分析アプリケーションを組み合わせたカスタマイズ、「Community Cloud」によるパートナー企業との共有なども可能であることが紹介された。

Einstein Analytics Plusでは50種類以上の分析テンプレートが提供される

 なおセールスフォースの他のサービス群とは異なり、Einstein Analytics Plusのライセンス価格については「個別見積もり」となっている。これについては「顧客ごとの利用用途や利用件数などによって大きく変化する部分があるため」(大森氏)と説明している。

 「今回のEinstein Analytics Plusで、AI/機械学習とBIの機能がシームレスに統合された。実際に顧客のPOCやプロジェクトを拝見すると、AI/機械学習だけでも、データ分析だけでもない。最終的な目標はあくまで『データに基づいて業務を改善すること』であって、そのためにAIやダッシュボードを使うという話。また逆に、業務システムにダッシュボードや予測結果をエンベデッドする形もある。これらのツール間をいちいち移動することなく、データから気づき、業務改善までがシームレスにつながり、短いサイクルで行うことができるようになっている」(久保氏)

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    トピックス

    “持たない家電”ランキング、もはや定番のアレがやっぱり1位なような

  2. 2位

    トピックス

    思い切った慶應義塾 全教職員にNotion導入で168年分の知的資産をAIに食わせるプロジェクトが始動

  3. 3位

    トピックス

    リモートワークは福利厚生なの? ITエンジニアが本当に欲しい福利厚生第1位となる

  4. 4位

    ビジネス

    管理職こそ大事にしないとまずくないか? 約4割が「続けたい、と答えない」現実

  5. 5位

    トピックス

    インバウンドの頑張りランキングベスト3は「大分県」「岐阜県」「佐賀県」 努力が光る結果に

  6. 6位

    TECH

    訓練だとわかっていても「緊張で脇汗をかいた」 LINEヤフー、初のランサムウェア訓練からの学び

  7. 7位

    TECH

    身代金要求攻撃の被害額は「1社平均6.4億円」 それでも6割超が「支払いを否定しきれない」苦境

  8. 8位

    データセンター

    液冷技術の最先端が集うイノベーションラボ「DRIL」、印西のデータセンターに現わる

  9. 9位

    ITトピック

    管理職ほど機密情報をAIに入力している実態、なぜ?/27卒学生の就職人気、IT業界トップ企業は/最新インシデントの傾向10パターンまとめ、ほか

  10. 10位

    ビジネス

    ランチ抜きが22%!? 物価高で「水筒・コンビニ控え」が定着する中、なぜか「推し活・美容費」だけは死守するオフィスワーカーたち

集計期間:
2026年04月15日~2026年04月21日
  • 角川アスキー総合研究所