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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第495回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー 新CEOのもと部門を切り売りして復活したIBM

2019年01月28日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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ソフトウェア会社を次々と買収し
製品ポートフォリオを急速に転換

 実のところ、買収はこれだけではない。Gerstner氏がCEOに就任する以前の1993年までで、IBMが買収したのは(最初のCTR形成の時を別にすると)わずか13社である。1921年から1993年まで72年間で13社だから、平均6年で1社程度である。ところが1994~1998年まででの5年間で、20社も買収している。

 ほとんどがソフトウェアないしサービスを提供する会社であり、これまでIBMが提供してこれなかったものを提供できる企業ばかりだ。こうした買収により、IBMは製品ポートフォリオを急速に転換していく。

 1994年には早くも黒字転換を果たしているし、そこからGerstner氏が退任する2002年まで、毎年の利益率は10%には届かないものの、7~8%を安定して確保しているあたりはさすがと言うべきであろうか。

 そしてこの期間中にIBMの売上ポートフォリオも当然変化した。IBMの過去の年次報告から1993~2000年にかけての部門別売上金額と、ハードウェア部門の売上比率をまとめたのが下表である。

部門別売上金額と売上比率
年度 ハードウェア サービス ソフトウェア レンタル/
ファイナンス
合計 ハードウェア部門の比率
2000年 377億7700万ドル 331億5200万ドル 125億9800万ドル 34億6500万ドル 869億9200万ドル 43.4%
1999年 370億4100万ドル 321億7200万ドル 126億6200万ドル 31億3700万ドル 850億1200万ドル 43.6%
1998年 354億1900万ドル 289億1600万ドル 118億6300万ドル 28億7700万ドル 790億7600万ドル 44.8%
1997年 362億2900万ドル 193億200万ドル 128億4400万ドル 37億3100万ドル 721億600万ドル 50.2%
1996年 363億1600万ドル 158億7300万ドル 130億5200万ドル 37億2500万ドル 689億6600万ドル 52.7%
1995年 356億ドル 127億1400万ドル 126億5700万ドル 35億6000万ドル 645億3100万ドル 55.2%
1994年 323億4400万ドル 97億1500万ドル 113億4600万ドル 34億2500万ドル 568億3000万ドル 56.9%
1993年 305億9100万ドル 97億1100万ドル 109億5300万ドル 41億6600万ドル 554億2100万ドル 55.2%

 1993年の時点では売上の半分以上をハードウェアそのものが占めていたのに対し、2000年にはその比率が4割程度まで落ち、ほぼサービス(1996年以降はGlobal Serviceという名称になっている)が同程度の売上を占めるまで増えてきたのがわかる。

 こうした売上ポートフォリオの転換は主に買収によるもので、Gerstner氏の在任中にほぼ完了した感がある。もちろん買収が全部当たったというわけではなく、Sequentの買収みたいな失敗(なのかどうかも微妙だが、少なくとも成功とは言い難い)なケースもあるにせよ、とりあえずAkers氏の時代の行き詰まり感は無事に脱した形だ。

※お詫びと訂正:記事初出時、部門別売上金額と売上比率の表に誤りがありました。記事を訂正してお詫びします。(2019年2月19日)

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