狭っ苦しいタイトなコクピット
さあ、乗ったら乗ったで、今度は狭いんであります。「タイトなコクピット」と言えば聞こえがいいんでありますが、サイズの合わない三つ揃いを無理やり着込んだような窮屈さでありまして、シートの後ろにはバッグの置き場所すらありません。
こうやってOsmo Pocketでパノラマ撮影すると広々と見えるんですが、パノラマ撮影でもしなければ収まらない狭さだということです。
運転の好きな人間は、これをクルマとの一体感が高まるというので喜ぶんでありますが、センターコンソールは高い、ウインドスクリーンは近い、天井は低い。さまざまなものが迫ってくる感じがして、狭いところが恐い人には息のつまるような空間かもしれません。
天井の高さは、身長167センチで胴長の私の場合、拳が縦に一個入って、上下に動かせる程度の余裕はあります。小型の人類にとっては幸いですが、背の高い方は気をつけないと、乗り降りの際に天井のヘリにゴチっと頭をぶつけちまうくらいの高さであります。
楽に乗り降りしようと思ったら、先に天井を開けておくことですね。そうすればお天道様まで届く無限の高さが確保できるわけでして、まあオープンカーですからオープンにしてナンボのものであります。やっぱり、外から天井を開けるリモコンは、あった方がいいかもしれません。
しかしながら、キャビン内部はどうやっても前後方向のゆとりがありません。バックレストを倒せる角度はごくわずか。すぐ後ろには壁が屹立しておりまして、ふんぞり返った姿勢は取れません。
身長167センチで短足の私が、クラッチペダルを踏み切れるようシートの前後位置を調整しますと、そのまんま教科書どおりの適正なポジションが得られてしまいます。と、申しますか正しい姿勢以外に取りようがない。
2018年の商品改良版から「テレスコピック」というステアリングコラムを前後に調整する仕掛けが付きましたが、これでステアリングを目いっぱい奥に押し込み、バックレストを目いっぱい倒して、どうにかストレートアームのような古臭い持ち方もできるかな、くらいのものです。
言ってみれば運転教育上とても正しいクルマでありまして、教習所はこれを導入すればよろしいんじゃないでしょうか。車内でPCを広げての仕事、昼寝といったことも難しゅうございますので、ほかのクルマにした方が無難であります。
さて、ここまでは買う前からわかっていたことばかりで、私は問題とも思いません。狭い低いは好きのうちと申しまして、こういうクルマの好きな人間は、なんだかんだと文句を言いつつ楽しんでいるわけです。ただ、実際に乗ってみると、いくつか気になるところがあったんですねえ。
えっ。あら、もうそんな時間になってしまいましたか。では続きは来週ということにいたしまして、みなさまごきげんよう。
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