CES 2019レポート 第2回
生産数は世界で10台限定、購入者の全身をくまなく採寸し世界で1台のロードバイク製造
1500万円! 金属3Dプリンター出力でセンサー内蔵IoTロードバイク「ORBITREC」
2019年01月07日 06時00分更新
Cerevoは1月6日(現地時間)、同社のスポーツ用品ブランド「XON(エックスオン)」の新製品として、金属3Dプリンター出力、センサー内蔵のIoTロードバイク「ORBITREC(オービトレック)」を発表した。生産数は世界で10台限定で、価格は1500万円(14万USドル)。1月8日から開催される「CES 2019」で展示し、タッチアンドトライゾーンを設置予定。購入希望者はその場で購入者ウェイティングリストにエントリーできる。
ORBITRECは、購入者のために完全にカスタマイズするという高級オーダーメイドIoTロードバイク。まず、購入者の全身をくまなく採寸するために、日本に招待。採寸した数値をもとにフレームを設計し、3Dプリンターで製造する。世界につしかない購入者だけのためのロードバイクを、約1ヵ月で製造する(最短ケース)。製造完了時には、購入者を再度日本に招待し、あたらめて納品を実施する。
ORBITRECは、デザイナーの柳澤 郷司氏のデザインユニット「Triple Bottom Line と DMM.make AKIBA、 ABBALab」が共同で開発したロードバイクフレームのコンセプトモデル「DFM01」を発展させた製品で、チタン焼結型 3Dプリント技術と、カーボンファイバーチューブを組み合わせた製造を開発。本格的なレースで使える軽量オーダーメイド・フレームとなっている。
歪みが発生しやすい金属3Dプリントで量産に耐えうる品質かつ強度を獲得するために、人間の骨の内部構造を真似た「ラティス」と呼ばれる特殊構造を造形部内部に多数配置。意匠面では造形方案からくる制限の中で、高い審美性を獲得するため、チタンジョイント部が1本の線でつながっているように見えるラインマネジメントなど、様々な技法を駆使したという。
フレームダウンチューブに各種センサーを内蔵し、走行中の精密なログを取得・分析できる機能を搭載する。センサーは、9軸センサー(加速度・角速度・地磁気)、温度、気圧、照度、GPSなど。さらに、ORBITRECやCerevoのスマートフォン連携スマート・サイクルデバイス「RIDE-1(ライド・ワン)から取得されたビッグデータを解析して、ライディングがより安全で楽しくなる情報をフィードバックする専用解析サーバーを合わせて開発。
Bluetooth接続されたスマートフォン専用アプリ経由でORBITRECやRIDE-1と通信し、走行中の場所や速度といった基本的な情報に加え、傾きや衝撃などフレームの状態も取得。GPSによる走行ログと組み合わせて、過去の走行履歴を車体の様々な情報とともに振り返り、分析できる。BluetoothとANT+を搭載しているため、既存のANT+対応センサーのデータを記録しながら、スマートフォンと連携可能だ。
この連載の記事
-
第43回
デジタル
デル/ALIENWARE、Riot Games/リーグ・オブ・レジェンドとeスポーツにおけるパートナーシップを発表 -
第42回
AV
未来感じる取り式に8K、テレビの新トピックをまとめてチェック -
第41回
デジタル
ゲーマーが納得する仕組みを――マカフィーが考えるゲームとセキュリティの今後 -
第40回
AV
HyperXの新ゲーミングヘッドセットは、頭の動きをトラッキングし正確な音の位置をキープする -
第39回
エンタメ
“AI先生”搭載ピアノ登場、転ばない電動二輪も! CESヤマハブース -
第38回
VR
アウディ、車内で楽しむVRコンテンツを開発 -
第37回
VR
日産、CESでAR活用の運転支援技術「Invisible-to-Visible(I2V)」を発表 -
第36回
デジタル
ゲーマー育成に力を入れるデルゲーミングの今後、ゲーマー理想のマシンをイノベーションで実現 -
第35回
デジタル
シーゲイト、CES 2019で新製品などを展示 レベルアップに注力 -
第34回
PCパーツ
円柱型で小型なハイエンドPCなど、CES 2019のCORSAIRブースをみてきた -
第33回
AV
パナソニック101年目の挑戦はハリウッドを唸らせた4K有機ELテレビから! - この連載の一覧へ