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CES 2019レポート 第41回

パソコンの負荷を可視化し、セキュリティ対策製品が与える負荷を目視できる「McAfee Gamer Security」

ゲーマーが納得する仕組みを――マカフィーが考えるゲームとセキュリティの今後

2019年01月22日 07時00分更新

文● 八尋/ASCII

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ゲーマーに対する脅威やセキュリティ対策について、McAfee LLCのチーフコンシューマ セキュリティ エヴァンジェリストのギャリー・デイビス氏にインタビューしてきた

 2018年は、e-Sports元年と呼ばれるほどにe-Sportsが盛り上がり、それに合わせてPCゲームに興味を持ち、始めた人も多いのではないだろうか。だが、実は盛り上がりに便乗してPCゲーマーたちを標的にした脅威も増えているのはご存知だろうか。

 今回CES 2019のマカフィーブースで、McAfee LLCのチーフコンシューマ セキュリティ エヴァンジェリストであるギャリー・デイビス氏にインタビューできる機会があったので、PCゲームに対する脅威の内容、そして同社はその脅威に対してどのような対策をとっていくのかを聞いてきた。

PCゲーマーの64%がセキュリティに対する攻撃を経験
PCゲーマーに納得してもらえるPCゲーマーのためのソリューションを提供

―― 私はPCゲームが好きでよくプレーしているのですが、PCゲームに対するウイルスなどの脅威については詳しくありません。ゲーマーを対象にした攻撃って、実際にあるのでしょうか。

ギャリー・デイビス氏(以下、ギャリー):マカフィーでゲーマーの方を対象に調査を実施したところ、全体の64%の人がセキュリティに対する攻撃を経験したことがあるとの回答がありました。ゲーマーの皆さんは、ゲームを楽しむためにセキュリティレベルを低くしてしまう傾向にあります。そのため、狙われやすい環境を自らつくってしまうのです。

 昨今のPCゲームをプレーする方は、YouTubeなどで攻略法を確認するなど、セキュリティレベルを下げたままウェブブラウジングなどをすることも多く、そういった際に危険なものをダウンロードしてしまう事例が多々発生してしまっています。

 また、匿名ブラウジングやプライベートブラウジングを使用することで、自分のパソコンは守られていると信じている方もいますが、実際は守られていないというのも知っていただきたいです。

―― そうなんですね。ゲームをプレーするためにセキュリティレベルを下げるというのは、世界共通なのでしょうか。

ギャリー ゲームをプレーするうえでセキュリティレベルを下げるという傾向は、どの国でも変わりません。

―― では、そういったゲーマーたちに対して、マカフィーはどういったアプローチを実施していくのでしょうか。

ギャリー 正直、ゲーマーの方々がセキュリティ対策製品に対して印象がよくないのは認識しております。CES 2019のマカフィーブースでは、マシンに負荷がかからないようなセキュリティ対策のソリューション(後述)を紹介しています。よくない印象を変えるために、ゲーマーの方も納得して使っていただけるソフトウェアになっていると考えています。

―― それは楽しみです。ただ、正直ゲーマーの人がゲームのためのセキュリティをみずから探してインストールするかと言えば、なかなか難しいところだと思うのですが。

ギャリー マカフィーのソフトウェアは、もちろんウェブからインストールすることも可能ですが、ゲーミングパソコンを販売しているメーカーさんと協力して、パソコンを購入するとはじめからインストールしてあるという方法で提供しています。

ゲーマーに納得してもらえるソリューションを用意したと語るギャリー氏

親子でやって良いことと駄目なことを
しっかり話し合うような仕組みを提供したい

―― 日本では、PCゲームが盛り上がったことで、広い年齢層がPCゲームに興味をもち、子供たちもPCゲームを遊ぶようになりました。加えて、以前から小学生でもスマートフォンを持つようになり、子供がスマホゲームをプレーするうえでのトラブルなどもちょくちょく耳にします。そういった子供向けのソリューションもあるのでしょうか。

ギャリー お子さんを守るソリューションとしては、ペアレンタルコントロールがあり、マカフィーでは「セーフ ファミリー」として提供しています。マカフィーがお子さん向けのソリューションとして重要視しているのは、一方的に親がブロックするための仕組みではなく、親子でやって良いことと駄目なことを会話する場を作るための製品づくりです。ですから、親がすべてを止めてしまう、というような対策には否定的です。

 サイバーネットワークの中でのいじめなど、子供に関するトラブルは起こりえることです。ただ、ウェブブラウジングやアプリケーションの使用をすべて禁じるというよりは、最終的にどういったことが起こってしまう恐れがあるのかを、親子で話し合って子供に理解してもらうことが大切だと考えています。

―― 最後に、IoT製品など今後パソコンやスマートフォン以外でネットワーク接続されるものに対する攻撃も気になります。こういった攻撃に対する対策はあるのでしょうか。

ギャリー 今回デモを展示していますが、すべての製品にセキュリティ対策製品を入れるのではなく、パソコンやスマートフォン、IoTデバイスをネットワークに接続するためのWi-Fiルーター上でセキュリティ対策できるソリューションを展開しています。

 スペインやアメリカでは、一部のWi-Fiルーターに購入時からインストール済みという方法で提供しています。現状日本では展開していませんが、今後日本でもIoTの世界が広がっていくのであれば、モバイルキャリアさんなどと一緒に、セキュリティを展開していきたいと考えています。

―― ありがとうございました。

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