通信と端末の分離が話題になっているが、それに相反するように高価格スマートフォンの大幅割引販売が話題になっている。
特にドコモが11月末から12月1日にかけて、iPhone XRを含むハイエンド機種を新規/MNPで契約した場合、1~4万円程度での販売を開始した。こんな価格だと、格安SIMからドコモに乗り換えてしまおうかと考えたくなるが、果たして実際にオトクなのか詳しく分析した。
端末は最初に値下げされる代わりに
月々の割引が無くなってしまう
「端末値下げ」のからくりを説明すると、対象機種では「端末購入サポート」という制度が適用される。たとえば、発売後約1カ月しかたっていないiPhone XR 64GBモデルは、従来9万8496円だったものが2万5920円(ドコモオンラインショップ)まで一気に下がる。
同様に12月1日から端末購入サポート対象となった、今夏のハイエンドモデルであるファーウェイ「HUAWEI P20 Pro」は10万3680円だったものが1万5552円、「Galaxy S9」も9万9792円が1万5552円と大きく下げられている。
販売価格は販売店が独自に決められることになっているが、端末購入サポートによる割引額は同じなので、販売価格の低下は基本的には大きく変わらない。
では、値下げを手放しに喜んでいいかというと、そうでもない。端末購入サポートが適用された機種を購入すると、以下の不利な条件も付いてくる。
●毎月の料金が割引される「月々サポート」が無くなる
●1年以内の短期解約では回線違約金に加えて割引額返還(解除料)という高額のお金がかかる
●SIMロック解除は100日後
1番目の「月々サポート」は、ドコモのスマートフォンを購入すると、月々の料金から最大24ヵ月間割引が適用されるというものだが、それがそれがなくなってしまう。
たとえば、iPhone XR 64GBは購入サポート対象になる前は新規契約の場合、加入翌月から毎月2457円の割引が24ヵ月に渡って発生し、総額で5万8968円引き。その結果、実質3万9528円になるという表現になる。この毎月発生する割引が、最初にまとめて値引きに回されると考えるといい。
それでも端末購入サポートで買ったほうが支払額は少なくなっているわけだが、同時にデメリットもある。

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