映像と音楽の両方に対応できるのも、パソコンの利点
SSB-380Sはヘッドホンアンプ機能も持つので、高音質なヘッドホンをつなげばパソコンで管理しているハイレゾ音源も手軽に楽しめる。上述した定位の良さから、動画視聴なども楽しいだろう。Netflixなどの高品質な映像には相応の音も必要なので、こういった機器との組み合わせが適している。
Bluetoothも搭載しており、標準的なSBCのほかAAC、aptX、LDACなどの高音質コーデックにも対応している。つまりスマホやタブレットとワイヤレスでつなぎ、音楽の再生を楽しむことができる。
実売価格は10万円台中盤となり、決して安価な機種ではないが、本格的なHi-Fiオーディオシステムを手に入れるためには、スピーカー、アンプ、プレーヤーなどが必要だ。単品でそろえれば、何十万円も必要になる。これに対して、SSB-380Sはパソコンとつなげれば1台で高音質に音楽を楽しめるし、ニアフィールド再生ならではの魅力もある。クオリティ面でもまったく引けを取らない印象だ。PCオーディオはもちろん、Hi-Fiオーディオの初めの一歩としても最適なスピーカーと言える。
深夜や共用スペースならVECLOSのヘッドホンがオススメ
ヘッドホンで真空魔法びんの効果を体験してみたい人には、同じVECLOSの「HPT-700」「HPS-500」がオススメだ。SSB-380S同様、エンクロージャー部分に真空二重構造を採用している。その効果はSSB-380Sと同じだ。ドライバーは40mmのフリーエッジ・カーボンドライバーを採用、パルプにカーボンを混抄したことで、高い解像度と高剛性を実現したとのこと。
HPT-700はチタン製のエンクロージャーを搭載したモデル。チタンは軽量でありながら高い剛性を持ち、余計な共振が抑えられるためクリアなサウンドが特徴だ。バッフルにはアルミダイキャストを採用、共振の低減、ドライバーレスポンスの向上により、立ち上がりが速く、クリアなサウンドを実現している。
実際に聴いてみると、音はとてもまろやかだが、それでいて輪郭がボケない明瞭なサウンドを体感できた。音量を上げても音に角が立たないのでうるさく感じず、一つ一つの音を聴き分けできる。重低音もこもらず、クリア。長時間聴いていても疲れない音作りで、あらゆる音楽に合いそうだ。真空エンクロージャーによる明瞭な定位感はヘッドホンでも健在で、頭の中でボーカルや楽器の位置を感じ取ることが可能だ。
一方のHPS-500は、エンクロージャーにステンレスを採用している。
ステンレスは、チタンに比べると華やかな音が特徴だ。特に高音がきらびやか。全体的に澄んだ音で、アタック感もあり、“粒がはっきりした音づくり”と言える。きらびやかな音作りなのでインストルメンタル系の楽曲が特に合いそうだ。