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山根博士の海外モバイル通信 第411回

低価格でも高級感! 中南米を狙う新たな中国スマホメーカー「Duubee」に迫る

2018年09月19日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII編集部

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今年から市場に参入したDuubee

 海外の展示会へ行くと、名も知らないメーカーのスマートフォンを数多く見ることができます。その多くは中国のOEM/ODMメーカーですが、中には自社ブランドで新たに市場に参入を始めたメーカーの出展もあります。2018年9月12日から14日までロサンジェルスで開催されたMobile World Congress Americas 2018(MWCA 2018)で見かけた「Duubee」もそんなメーカーです。

 Duubee(Shenzhen Duubee Intelligent Technologies)は中国・深センのメーカーで、今年からスマートフォンを自社ブランドで展開しています。中国市場はすでに競争が激しく、先進国も大手メーカーの寡占状態のため新興国を主なターゲットにしています。現在は中南米を中心に展開しているとのことです。

MWCA 2018のDuubeeブース

 製品数は2種類とまだ少なく、200ドル前後の「Gaia」と100ドル前後の「E3」をラインナップしています。最近では新興メーカーの製品は大手メーカーの製品に倣ったモデル名を付けることが多いのですが、Gaiaだなんて独自の名前を付けるあたり、筆者は好感が持てます。

 上位モデルのGaiaはCPUがクアルコムのSnapdragon 450でメモリーと内蔵ストレージの組み合わせは2GB/16GBまたは3GB/32GB。ディスプレーは5.7型、18:9の1440x720ドット、カメラは1300万+500万画素でフロントは800万画素。3200mAhバッテリーを内蔵し、マルチファンクションの指紋認証センサーも備えます。

Gaiaという名の上位モデル。Snapdragon 450を採用

 Duubeeとしては上のモデルですが、他社と比べるとミッドレンジの下位に位置するスペックです。まだブランド力のないメーカーですし、製品を売るためには価格は重要な要素になります。先進国のユーザーから見るとスペックは物足りないかもしれませんが、ボリュームゾーン層向けの製品であることを考えると価格相応のモデルと言えます。

背面は高級感ある仕上げ

 とはいえ光沢仕上げのボディーは最近のスマートフォンの流行をしっかり押さえており、価格相応ながらも高級感があります。サファイアブルー、シーガルグレイ、オブシディアンブラックの3色展開ですが、ブラックの背面は指紋認証センサーのくぼみの周囲をゴールド仕上げにするなど細かいこだわりも。細かなところを考えたデザインになっています。

ブラックモデルだけ指紋認証センサー周りのカラーリングを変えている

 低価格モデルのE1はSnapdragon 210、メモリー1GB、内蔵ストレージ16GB、5型HDディスプレー、1300万画素カメラ(フロント500万画素)に2000mAhバッテリーというベーシックモデル。片手にすっぽりと収まる小型サイズで、フィーチャーフォンからの買い替えも狙った製品です。

エントリーモデルのE1

 どちらのモデルも市場参入第1号機ということで、まずは基本機能を押さえつつ消費者の反応を伺うという製品なのでしょう。デザイン面での差別化は難しいところですが、新興国ではまだまだスマートフォン需要は高いことから、定期的に製品を投入しラインナップを増やしていけば勝算もあるでしょう。

E1の背面は無難な仕上げといったところ

 MWCA 2018という大きいイベントに出展することで、世界中から来ているバイヤーもDuubeeの製品を知ったはず。これからどんな製品展開を行なっていくかわかりませんが、来年の同じ展示会ではより多くの製品が並べられていることを期待したいものです。

Duubeeロゴ入りグッズも配布。いつの日かこれを欲しがるユーザーが増える日がくるかもしれない

山根康宏さんのオフィシャルサイト

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