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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第144回

九五式軽戦車の里帰りプロジェクトに寄付をしてみました

2018年09月11日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

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1億円を寄付で集めることに

 譲渡の話を受けたのは御殿場にあるカマドという自動車屋さんの社長である小林さん。覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、以前この連載でご紹介しています。四連装重機関銃付きのハーフトラックシュタイヤー1500A/02という軍用車をレストアしたり、戦車トークショーを開催したり、軍用車を展示する「社長の小部屋」というプライベート博物館まで持っている、それはそれは濃い人です。

九五式軽戦車購入のオファーを受けたカマドの小林社長

 社長の小部屋には「NPO法人 防衛技術博物館を創る会」という団体の連絡事務所が併設されていて、小林さんはその代表理事も務めています。防衛技術博物館を創る会は、戦車や装甲車、火砲などの防衛装備品の博物館を設立するため、さまざまな活動をしている特定非営利活動法人。博物館の収蔵品とするために国内外に残る車両の調査を実施していて、静岡の猪鼻湖(浜名湖に繋がる水域)に沈んでいると言われている幻の戦車こと「四式中戦車」を探索したり、世界初の量産小型四輪駆動車である「くろがね四起」をクラウドファンディングを利用して走行可能な状態まで修復したりしています。またポナペ島にも2度訪問し、同島にある九五式軽戦車と九七式軽装甲車の返還を受けるべく交渉を続けているそうです。

「NPO法人 防衛技術博物館を創る会」の連絡事務所。プライベート博物館「社長の小部屋」に併設されています

 そうした調査をしているうちにたまたま九五式軽戦車の持ち主と知り合ったそうで、防衛技術博物館を創る会の活動を知り、10年以上に渡った修復作業の完了が見えてきたこともあって、「くろがね四起を修復したグループで買わないか?」という話になったそうです。問題はその価格。先方の希望価格は65万ポンド――日本円でなんと1億円弱! 小林さんも創る会もポンと払える金額ではありませんでした。

 1億円なんてワタシには一生縁のない莫大な金額ですが、小林さんによると修復の対価としては妥当とのこと。オリジナルエンジンで走れることや、修復に10年を超える月日がかかっていること、くろがね四起のレストアに2000万円を超えるお金がかかったことなどを考えると適正価格だそうです。言われみればそうかもしれないですね。

 資金はないものの千載一遇のチャンスを逃すのはいかにも惜しい。実は零パークが手放したときに僅かな差で入手し損ねていたらしいのでなおさらでしょう。

 こういうときに真っ先に思い浮かぶのはクラウドファンディングです。しかし先方が取引を内密に進めたいとの意向だったため、公開の場で集めるのは無理でした。そもそも走行可能な戦車となるといろいろとクリアしなくてはならない事柄も多いでしょうから、審査を通るのも難しそうです。

 そこで始めたのが、活動の支援者からの内々の寄付でした。ワタシも案内をいただいたのですが、金額は一口10万円。支援者は何万人もいないでしょうから一口がある程度の金額になるのは仕方ないと思いますが、支払うにはちょっと勇気が必要です。

 で、支援はしたいけど自分には無理かなぁと思っていたんですが、3ヵ月ほどしたある日、一口1万円のコースができたという案内が! なんでも、購入を決めて連絡したところ、資金調達のためなら情報を開示してもいいという話になったのだそうです。これなら自分にも協力できます。少額ですけど寄付をさせてもらいました。こちらから寄付ができます。

 現状は先方と正式に契約書を交わして10%を手付金として支払い済みで、戦車を押さえてあるとのこと。9月末から10月初旬にはエンジンが始動する予定で、走行に成功したところで40%の支払いをするそうです。ここまでで半額ですね。

 ちなみに一口1万円のAコースは上限が9口までで、一口10万円のBコースは上限がありません。里帰りが実現しなかった場合、Aコースについては返金されず、今後の車両収集や博物館実現の活動資金となります。Bコースはそのまま寄付するか、返金してもらうかを選ぶことが可能です。

レプリカと本物が並ぶ姿を見てみたい

 現在、社長の小部屋の展示物のひとつとして、九五式軽戦車があります。ただしこちらはハーフトラックなどとは違い本物ではなく、アメリカのテレビドラマ「ザ・パシフィック」の撮影のためにロケ地のオーストラリアで作られた、撮影用プロップ。原寸大の模型ですが、エンジンも搭載していて自走も可能です。

レプリカの九五式軽戦車。模型とはいえ実物大なので迫力は満点! 自走もできます

 レプリカと実物が隣に並ぶ日がくるかもしれないと思うと、それだけでワクワクしてしまいます。「日本が誇る八十年前の技術遺産を、私たちの手で日本へ帰還させよう!」を合言葉に進められているこのプロジェクト。もしよかったら一口いかがでしょう。里帰りが実現した暁には記念の記録集し、そこに名前を掲載してくれるそうですよ。

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