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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第572回

最近のデジカメは夜の猫もきれいに撮れる

2018年08月11日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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19時19分の住宅街。猫がいた、と思ってしゃがんだら、何を期待したのかこちらにとことこと歩いてきたのであった。夜は明るい単焦点レンズで。後ろの街の灯りがほわんと入る感じがいい(2018年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

19時19分の住宅街。猫がいた、と思ってしゃがんだら、何を期待したのかこちらにとことこと歩いてきたのであった。夜は明るい単焦点レンズで。後ろの街の灯りがほわんと入る感じがいい(2018年7月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

 太陽が沈むと、どこからともなく猫が現われる。それを黄昏時と書いて「にゃそがれどき」と読む。読みません。というか、やってること前回と同じじゃないか。

 進歩なくてすみません。

 夕暮れから夜の猫写真っていいよなあと、いうわけでここ5年くらいで撮った夜猫写真を探してみたら結構あったので前回に引き続き、夕刻から夜の猫である。

 夜の猫写真って、ちょっと前のカメラではすごく難しかった。暗い場所ではISO感度を上げなきゃいけない。上げすぎるとノイズがひどくてまともな写真にならない。かといって感度を抑えると手ブレや被写体ブレが起きる。

 でも、イマドキのカメラ(さすがに廉価モデルは難しいけど、ある程度以上のモデルやデジタル一眼レベル)なら事情がちょっと違う。

 一昔前に比べて手ブレ補正も効くし、高感度時の画質もぐんとよくなってるから挑戦してみる価値はある。

 冒頭写真は夜の公園。街灯はあったけど茂みの下にいてかなり暗いという過酷な環境の下、望遠レンズでそっと狙ったもの。

 マイクロフォーサーズ機でISO 12800ってのはかなりムチャではあるが、奥にいるハチワレの雰囲気がよかったのでがんばって撮ってみた。

 暗くても猫がじっとしてたら手ブレだけ気をつければOK。

1Fに飲食店が入っているマンションの前でミケのハチワレを発見。くつろいでたので這いつくばって猫目線で狙ってみた。照明の色をちょっと残して夜っぽく(2013年10月 オリンパス OM-D E-M5)

1Fに飲食店が入っているマンションの前でミケのハチワレを発見。くつろいでたので這いつくばって猫目線で狙ってみた。照明の色をちょっと残して夜っぽく(2013年10月 オリンパス OM-D E-M5)

 カメラを地面に置いちゃえば(まあ実際には左手の甲を地面につけて手のひらにカメラを置いてアングルなどを調整しながら撮ってるのだけど)、手ブレはかなり抑えられるし、夜、へちゃっと寝てる猫を正面から撮れるのもいい。

 そうそう、フラッシュを焚かない、ってのは夜猫撮影の鉄則。フラッシュ(ストロボ・スピードライト)は発光禁止にしておくこと。これは大事。

 それ以上に注意すべきはフォーカス。

 単純に言えば、暗いほどフォーカスは合いづらくなるし、フォーカシングに時間がかかる。特にミラーレス一眼やコンパクトデジカメはそうだ。

 さらに、後ろに明るい街並みがあるなど、背景の方が明るい逆光状態だとフォーカスが後ろに抜けちゃってピンボケ猫写真になりやすい。

 カメラはそういう事態を防ぐために、「AF補助光」ってのを持ってて、それを光らせて被写体を明るくしてフォーカスを合わせるのだが、猫を撮るときはこれを「オフ」にするのが鉄則。

 簡単な話で、LEDの強い光を猫は嫌うから。最近のAF補助光は強力なので、人を撮るときでも光ると「まぶしい」っていわれます。

 つまり、フラッシュやAF補助光など光るものはオフにして撮れ、ってことですな。

 最近のカメラはAFも優秀になってきたのでAF補助光はデフォルトでオフにしといてくれてもいいと思うのだけどどうなんでしょう。

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