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7ケタ郵便番号のジオコーディング、空間データの結合機能なども追加「Tableau 2018.2」

Tableau、サードパーティ製機能を組み込み拡張可能な新版

2018年08月08日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 Tableau Japan(タブロージャパン)は2018年8月7日、企業向けデータ分析プラットフォーム/BIツールの最新バージョン「Tableau 2018.2」をリリースした。インクリメントPとの協業による日本の7ケタ郵便番号からのジオコーディング、ダッシュボードにサードパーティ製の機能を組み込める拡張機能、「Tableau Server」の構成をWebブラウザから管理できる機能などが追加されている。

「Tableau 2018.02」主な新機能の概要(Tableau Webサイトより)

発表会に出席したTableau Japan 社長の佐藤豊氏(左)

ゲスト出席したインクリメントP 第二事業本部 本部長の但馬一幸氏

ドラッグ&ドロップでサードパーティ製機能をダッシュボードに追加

 米国Tableau Softwareでは現在、四半期に1回のペースでソフトウェアのバージョンアップを行い、そのたびに新機能も追加されている。今回リリースされたTableau 2018.2でも多数の新機能が追加された。同日の発表会ではその主要なものについて、デモを交えながら紹介された。

 まず、ダッシュボードの機能拡張を柔軟に行える拡張API(Extention API)が新たに導入され、サードパーティパートナーが開発する「拡張機能」を、ダッシュボードに直接ドラッグ&ドロップすることで追加できるようになった。この拡張機能はオンラインの「拡張ギャラリー(Extention Gallery)」から入手できる。

「Tableau 拡張ギャラリー」。サードパーティが提供する拡張機能をダウンロードできる。今後さらに掲載件数を拡充していく予定

 Tableauの説明によると、このオンラインギャラリーではTableauが申請を受け、動作確認したサードパーティ製の拡張機能が提供される(一部はTableau自身が提供)。有償のものも含まれる。

 この拡張機能の実体はJavaScriptコードであり、API経由でTableauとデータ連係した外部サーバーのサービス(=サードパーティのサービス)をダッシュボードに組み込み表示する形となる。発表会では、Tableau上のデータを「サンキーダイアグラム(Sanky Diagram)」として表示するサードパーティ製拡張機能のデモが披露された。

サードパーティ製拡張機能(Show Me More)を使い、Tableau上の旅客輸送人員データをサンキーダイアグラムで表示するデモ。旅客がどこからどこへ移動したのかを可視化している

インクリメントPとの協業で7ケタ郵便番号の位置情報データも追加

 Tableau 2018.2では、インクリメントPとの協業により日本全国の7ケタ郵便番号から緯度・経度データを付与できるジオコーディング機能も追加された。これまでは3ケタ郵便番号の位置情報付与にしか対応していなかったが、7ケタ郵便番号に対応したことで精緻な位置データが利用できるようになり、たとえば商圏分析や物流の最適化といった用途で有益だとしている。

 なおインクリメントPによると、この7ケタ郵便番号データは「ビルフロア」や「大口事業所」に割り当てられる特殊な7ケタ郵便番号についても対応しており、同社自身が独自に調査を行って月1回程度の頻度で更新されている。

郵便番号のジオコーディング機能。従来の3ケタ(左)から7ケタに拡充したことで、精緻な位置データ(国内14万地点以上)を利用可能になった

 さらに地図データでは、従来は人口1万5000人以上の主要市区町村のみだった「境界線(境界情報)」が、すべての市区町村で表示できるようになった。これもインクリメントPとの協業による成果となる。デモでは、自治体が公開しているAED設置施設の一覧データを使い、7ケタ郵便番号から地図上にマッピングする操作が披露された。

 そのほか「空間データの結合」機能も追加されている。コミュニティからの意見で追加されたというこの機能は、地点情報のような1つの共通属性をキーに、さまざまなデータソースを結合できるもの。たとえば「市区町村ごと」や「地図グリッドごと」のデータ集計/可視化などができる。

埼玉県のAED設置施設リスト(左)を地図上にマッピング。市区町村地図のレイヤーと、郵便番号が示す地点のレイヤーを重ねて表示している

 またサーバー型製品のTableau Server(Linux版、Windows版)では、Tableauを構成するプロセス群をWebインタフェースから管理できる「Tableauサービスマネージャー(TSM)」が追加された。従来のようにSSHやリモートデスクトップでログインすることなく管理が可能で、構成変更を再起動なしで実行できる。

「Tableauサービスマネージャー(TSM)」。処理ボトルネックの発生を防ぐために、Tableau Server各プロセスの起動数を調整する作業もWebインタフェースから簡単にできる

 「モバイルレイアウトの自動作成」機能も紹介された。これはTableauのベストプラクティスに基づき、PC向けのダッシュボードレイアウトを、自動的にスマートフォン向け、タブレット向けに変換してくれるもの。

「モバイルレイアウトの自動作成」機能。PC版レイアウト(左)作成後、クリックひとつでスマートフォン版レイアウトを作成できる

Tableau 2018.2における新機能一覧(Tableau Webサイトより)

 発表会に出席したTableau Japan 社長の佐藤豊氏は、「Tableauはもともとのビジネス分析ツール(BIツール)から“企業のデータプラットフォーム”として進化してきた」とこれまでの動向を紹介。そのうえで、今回新たにダッシュボード拡張機能が追加されたことで「利用者次第で、機能を無限に拡張できるようになった」と述べた。なお拡張ギャラリーで提供される(Tableau公式の)拡張機能だけでなく、オンラインコミュニティで開発されるものも利用できる。

 またゲスト出席したインクリメントP 第二事業本部 本部長の但馬一幸氏は、今回の地図データ提供の取り組みは、Tableau Japanだけでなく米国のTableau本社とも協調を図りながら進めてきたことを紹介。「今回Tableauに採用いただいたことで、より多くのユーザーに地図データの便利さを知っていただく機会になれば」と期待を述べた。

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