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小島寛明の仮想通貨&ブロックチェーンニュース解説 第6回

技術より「記録する行為」そのものが問題だからだ:

公文書問題 ブロックチェーンが特効薬にならない理由

2018年07月30日 09時00分更新

文● 小島寛明

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●役所に都合の悪い情報も記録させる仕組みが必要

 公文書管理にブロックチェーンを使う構想を見るたび頭をよぎるのは、ワインやコーヒーの生産履歴の管理だ。

 ワインもコーヒーも産地や生産者が価格に大きく影響するだけに生産履歴は重要だ。ブロックチェーンで産地から輸送、店舗にいたるまで製品がたどった道のりを記録する実験も幅広い分野で実施されている。

 しかし、仮に倉庫の担当者が、価値の高い産地のコーヒーと、去年の売れ残りのコーヒーを混ぜてからシステムに入力した場合、「改ざんできないウソの記録」がずっと残ることになる。

 突きつめれば、コーヒーの生産履歴も公文書もシステムを扱うのは人間だ。

 後世に残す公文書にはどんな情報が記録されているべきか。虚偽の記録を防ぐにはどうすればいいか。役所にとって都合が悪くても必要な情報は記録させる仕組みは構築できないか。

 ブロックチェーンを使っても使わなくても、どうやって運用するか具体的な検討を深めなくては、せっかくの技術は生かされない。



筆者──小島寛明

1975年生まれ、上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒。2000年に朝日新聞社に入社、社会部記者を経て、2012年より開発コンサルティング会社に勤務し、モザンビークやラテンアメリカ、東北の被災地などで国際協力分野の技術協力プロジェクトや調査に従事した。2017年6月よりフリーランスの記者として活動している。取材のテーマは「テクノロジーと社会」「アフリカと日本」「東北」など。著書に『仮想通貨の新ルール』(ビジネスインサイダージャパン取材班との共著)。

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