360mmラジエーターで強力冷却
続いては、「Eisbaer LT360 CPU」を実際にPCに取り付けて、その冷却パフォーマンスを見ていこう。
テストにはRyzen 7 2700XやGeForce GTX 1080 Tiビデオカードを用意。ストレステスト「OCCT」実行時や「ファイナルファンタジーXV」プレイ時のCPU温度をチェックしてみた。
空冷の比較には、Ryzen 7 2700Xの付属品ではなく、サイズの120mmサイドフローCPUクーラー「無限五 リビジョンB」を用いている。
テスト環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 7 2700X」 (8コア/16スレッド、定格3.7GHz、最大4.3GHz、TDP 105W) |
CPUクーラー | サイズ「無限五 リビジョンB(SCMG-5100)」 (サイドフロー、120mmファン) |
CPUクーラー | Alphacool「Eisbaer LT360 CPU」 (オールインワン水冷キット、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG CROSSHAIR VI EXTREME」(AMD X370) |
メモリー | SanMax「SMD4-U16G48M-26V-D」(DDR4-2666、8GB×2) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition(GDDR5X 11GB) |
SSD | Kingston「SSDNow KC400 256GB」(2.5インチ、256GB、SATAIII) |
電源ユニット | Seasonic「SS-750KM」(750W、80PLUS GOLD) |
OS | Windows 10 PRO(64ビット) |
「OCCT」は「CPU:OCCT」を30分間実行。「ファイナルファンタジーXV」は4K解像度、描画設定「最高」(NVIDIA GameWorksのオプションはすべてオフ)で1時間プレイした際のPC状態を、モニタリングツール「HWiNFO64」で記録。CPUダイ温度となる「CPU(Tdie)」の最高値を抜き出している。なお、計測はエアコンを効かした室温28度前後の状態で行なっている。
Ryzen 7 2700X付属のCPUクーラーとはさらに差は開くこと間違いなしだが、5000円前後するサイズ「無限五 リビジョンB」と比べても、「Eisbaer LT360 CPU」は最大温度が8度程度ダウンしている。
しかし、大型の360mmラジエーターとしては肩すかしに感じる人もいるだろう。このあたりは360mmとはいえ、25mm厚の薄型ラジエーターのためやむを得ないところだ。
もちろん、ラジエーターが厚ければより冷えるようになるとも限らないわけで、このあたりが気になりだし、いろいろ試したくなると本格水冷への道が開くことになる。
ちなみにアイドル時もしっかりCPU温度はダウンしており、空冷34度前後のところ、水冷時は32度前後を維持していた。水冷はポンプとファンの増加によるノイズ増加をどう見るかで、評価は分かれるが、高い冷却性能は、さすがは水冷といった感じだ。
なお、ゲーミング中のビデオカードからの排熱を想定して、「ファイナルファンタジーXV」はエアコンを停止させた室温33.5~34度の状態でもテストしている。結果はアイドル時が36.4度で、1時間プレイした際の最高温度は62.8度と室温を同じ、4度程度の上昇を確認できた。
オーバークロック動作時も試してみた
360mmの薄型ラジエーターを採用する「Eisbaer LT360 CPU」の冷却性能を見極めるべく、「Ryzen 7 2700X」をオーバークロックした状態でのテスト(室温28度前後)も実施してみた。
オーバークロックは、今回試した2700Xの限界となるオールコア4.2GHz動作(コア電圧1.45V)で、「OCCT」の「CPU:OCCT」を30分間実行してみると、瞬間的な最高温度は91.5度、平均は20度近くアップする83度程度になった。
真のパフォーマンスはVGA追加時に発揮か!?
さすがにコア電圧1.45V状態のRyzen 7 2700Xのオーバークロック動作は、360mmラジエーターでも厳しい感じだが、「Eisbaer LT360 CPU」は日常、ゲーミング、オーバークロックで十分な冷却性能を発揮してくれそうだ。
1万6000円前後で、この性能なら十分だが、冷却液が充填済みでクリックリリースコネクター採用のビデオカード向けウォーターブロックを追加した際のパフォーマンスも気になるところ。
近日中に、NVIDIAリファレンス仕様の「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」向けとなる「Eiswolf GPX Pro - Nvidia Geforce GTX TITAN X Pascal / 1080 Ti M02 - incl. backplate」の追加やファンのカスタマイズなど、いろいろと試してみる予定なので、乞うご期待。
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