このページの本文へ

ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第467回

いまさら聞けないIT用語集 5Gってなに? なぜインテルが注力?

2018年07月16日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

3.5G(第3.5世代)

 通話に関しては3Gと違いがないが、データ通信を高速化したもの。NTTドコモやVodafon(現ソフトバンク)ならHSDPAやHSUPA、auならEV-DOなどがこれに相当する。これにより数Mbpsでのアップロード/ダウンロードが可能になった。

FOMAハイスピード対応の「L704i」

3.9G(第3.9世代)

 この世代が微妙で、厳密に言えば次の4Gに含まれるもの(LTE)や、分類的には3.5G相当のものも含まれる。要するに3.5Gで提供されるサービスよりも高速なものを3.9G相当としており、UQのWiMAXもこの3.9G扱いされていた。

無線LANとWiMAXが一体化されたインテル製モジュール「WiMAX/WiFi Link 5150」

4G(第4世代)

 俗にLTE(Long Time Evolution)と呼ばれているもの。こちらは3GPP(Third Generation Partnership Project)という業界団体が定めた規格である。

 ただ日本以外では4G≒LTEなのに対し、日本ではLTEを3.9G世代に含めてしまった結果、やや話がずれてしまっている。

 ちなみに日本では4G≒LTE Advancedであり、これはさらに高速化されたLTEの規格であるが、海外ではこれを4.5G扱いしている。日本の現在の主力サービス、としても差し支えない。

LTE Advanced対応のSamsung「GALAXY S4」

4.5G(第4.5世代)

 上にも書いたように海外ではLTE Advanced(複数チャネルを使っての高速化などを含む、さまざまな高速化テクニック)を利用して、理論値で100Mbps以上の通信ができるものを4.5G世代としているが、日本ではこれを先取りして4G扱いしており、日本においてはLTE Advancedの中でもさらに高速化されたLTE Advanced Proという規格のみを4.5G扱いしている。

100Mbps以上の通信ができるものが4.5G。日本ではLTE Advanced Proのみを4.5G扱いにしている

5G(第5世代)

 ということで今回のテーマの5G。現在はまだ一部機能のフィールドテストなどに留まっており、サービスは日本を含めて世界のどこでも開始されていない。

2018年のMWCでインテルが展示した5Gモデムを搭載した2in1 PC

 端的に言えば理論値で1Gbps以上の通信が可能で、さらに通信のレイテンシーがミリ秒のオーダー、通信の信頼性が99.9%以上、など現在の4.5Gまでに比べて全体的に1桁高い性能を実現するものとなっている。

 もっともこの特徴を「同時に」すべて満たすのはいろいろ無理があり、広帯域向け、低遅延向け、高信頼性向けなど、異なる特徴を持つネットワークサービスが提供されるようになるのでは? と言われている。

 この最後の5Gの項目が最初の質問に対する答えにもなっている。時期的に言えば、2020年前後にスタートするであろう次世代の携帯電話向け規格とサービスのことを5Gと称しているわけだ。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン