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深層学習のイベント「DLLAB DAY 2018」基調講演レポート

エッジAIを加速する深層学習:PFNが「Menoh」発表、MSは「Brainwave」をエッジへ

2018年07月02日 12時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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 マイクロソフトとPreferred Networks(PFN)は2018年6月21日、深層学習(ディープラーニング)のイベント「DLLAB DAY 2018」を開催した。同イベントは、深層学習の産業応用を推進する目的で2社が設立した国内コミュニティ「Deep Learning Lab(DLLAB)」の1周年を記念する催しであり、金融、医療、流通・小売りなどの業界における深層学習の活用事例が多数紹介された。

 基調講演には、日本マイクロソフト 執行役員 最高技術責任者(CTO)の榊原彰氏、PFNの創業者で代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)の西川徹氏、理化学研究所 計算科学研究センターセンター長の松岡聡氏が登壇したほか、カーネギーメロン大学の金出武雄教授がSkypeでコメントを寄せている。

3つの好条件が重なりAIが進化した

 基調講演にリモート登壇したカーネギーメロン大学の金出教授は、昨今のAI(人工知能)の急速な進化の背景について、「深層学習というパワフルなテクノロジー」「ビジネスからデータを集める仕組み」「大量のGPUを使える環境」の3つの条件が同時に実現されたことで、今、次々に新しいAIが生まれる時代がきていると説明。会場に向けて、「深層学習は、使うことではなく、社会にある課題を解くことに価値がある。それを忘れないでほしい」「(人を代替するのではなく)人の能力を増やすAIを目指してほしい」と呼びかけた。

カーネギーメロン大学の金出武雄教授

スケーラブルなAzureやAWSのGPUクラスタで稼働する「Chainer」

 PFNの西川社長は、同社が開発する深層学習フレームワーク「Chainer」と、自動運転、産業ロボット、医療などへの産業応用事例を紹介した。

PFNの創業者で代表取締役社長 CEOの西川徹氏

 Chainerは、ニューラルネットワークの設計・学習・評価など、深層学習を用いた研究開発に必要な一連の機能を提供するオープンソースの深層学習フレームワークだ。深層学習フレームワークには、マイクロソフトのCNTK、GoogleのTensorFlow、ワシントン大学とカーネギーメロン大学が開発しAWSが公式サポートするMXNetなどいくつかあるが、Chainerの位置づけは、「インダストリアルIoTに向けたAIの実現にフォーカスしたもの」(西川氏)だとする。

Chainerの注力領域は「インダストリアルIoT」

 Chainerには、用途に特化したライブラリや追加パッケージがあり、強化学習用の「ChainerRL」、画像認識用の「ChainerCV」、化学・生物学研究用の「Chainer Chemistry」などが提供されている。その1つ、「ChainerMN」は大規模分散用の追加パッケージであり、複数分散ノードのGPUを使った計算処理を可能にする。「深層学習では、大量データを高速に扱うことが重要。PFNは、Chainer単体の計算速度を高めるだけでなく、スケーラビリティを上げることに取り組んできた」(西川氏)。

 西川氏が示した計測データによれば、ChainerMNは、使用するGPU数を増やすと計算速度がほぼ線形に増加する。この特性を最大限活用するために、PFNは、NTTコミュニケーションズとNTTPCコニュニケーションズが提供するマルチノード型GPUプラットフォームを基盤に、NVIDIA製GPU「Tesla P100」を1024基搭載した深層学習用コンピューターを構築し、2017年9月に稼働を開始した。

ChainerMNの計算速度はGPU数に比例して増加

PFNはNVIDIA製GPU「Tesla P100」を1024基搭載した深層学習用コンピューターを構築

 また、パブリッククラウドのスケーラブルなGPUクラスタでChainerMNを簡単に稼働させられるよう、Microsoft AzureやAWSと提携。Azureでは、InfiniBandを活用して学習を高速化するChinerMN環境「ChainerMN on Azure」を用意している。また、AWSでも、CloudFormationのテンプレートを使い、マルチノードのChainerMN環境を簡単に展開できるようになっている。

ChainerMN on Azure

AWS上ではCloudFormationでマルチノードのChainerMN環境を簡単に展開できる

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