最新パーツ性能チェック 第231回

WDのハイエンドSSD「WD Black NVMe SSD」は大幅な性能向上で魅力充分

スペック通りの圧倒的な性能向上を示す

　ここからは、実際にいくつかのベンチマークテストで、WD Black NVMe SSDとWD Black PCIe SSDの性能を比較していこう。テスト環境は以下の通りだ。

テスト環境
CPU	Intel 「Core i5-7600K」（3.8GHz）
マザーボード	ASUS「PRIME Z270-A」（Intel Z270）
メモリー	CFD販売 「W4U2400PS-8G」（8GB×2）
システム用SSD	サンディスク 「SSD PLUS SDSSDA-480G-J26」（480GB）
室温	24.4度

　まずはおなじみの「CrystalDiskMark 6」の結果だ。シーケンシャルリード／ライトは、どちらもおおむねスペック通りの数値を示している。また、ランダムリード／ライトの4KiB Q8T8もほぼ2倍に向上している。

WD Black NVMe SSD

WD Black PCIe SSD

CrystalDiskMark 6

　「AS SSD Benchmark」の結果も、CrystalDiskMark 6とほぼ同じ傾向だ。WD Black NVMe SSDの総合値は4376、WD Black PCIe SSDが1842と言うことを考えると、おおむね2倍以上の性能差があることになる。

　さまざまな条件でファイルのコピーを行ない、実際の使用感を検証しやすい「Copy-Benchmark」では、大容量ファイルのコピーを想定した「ISO」で、書き込み性能の違いがそのまま結果に反映された。

WD Black NVMe SSD

WD Black PCIe SSD

AS SSD Benchmark

WD Black NVMe SSD

WD Black PCIe SSD

AS SSD Copy-Benchmark

　さらに「HD Tune Pro」でドライブ全域のリード/ライト性能を見てみよう。テストサイズは大きめなファイルを想定した8MBと、小さめなファイルを想定した64KBの2つだ。どちらもWD Black NVMe SSDのほうが優れているのは、今までのテストと同じ傾向である。SSDはHDDのように内周と外周があるデバイスではないので、リードについては全域で安定した数値を示している。

WD Black NVMe SSD

WD Black PCIe SSD

HD Tune Pro（Read 8MB）

WD Black NVMe SSD

WD Black PCIe SSD

HD Tune Pro（Read 64KB）

　ただライトに関しては、途中から大きく転送速度が低下している。これは、TLCタイプのフラッシュメモリーを搭載するSSDに見られる傾向だ。

　Western Digitalは、WD Black NVMe SSDが搭載するフラッシュメモリの種類を明記していないため、断言することはできない。しかしこうした結果を見ると、おそらくはほかのTLC搭載SSDと同様、一部を疑似SLCのキャッシュとして利用する機能を搭載しているものと思われる。

WD Black NVMe SSD

WD Black PCIe SSD

HD Tune Pro（Write 8MB）

WD Black NVMe SSD

WD Black PCIe SSD

HD Tune Pro（Write 64KB）

　ドライブ全域のライトベンチマークは負荷の高いテストなので、このテスト中にSSDの温度がどう変化するのかも検証してみた。

　テスト前に10分間放置したアイドル時の温度は、HWMonitorによればWD Black NVMe SSDが37度であるのに対し、WD Black PCIe SSDは47度。アイドル時の時点でWD Black NVMe SSDのほうが10度も低い。

　HDD Tune Proのライトベンチマークテストが終わったあとに、起動しておいたHWMonitorで最高温度を確認してみると、WD Black NVMe SSDが55度であるのに対し、WD Black PCIe SSDは62度。動作時の発熱も低下していることがよくわかる結果となった。

薄型モバイルノートPCの換装SSDとしてもオススメ

　WD Black PCIe SSDは2017年3月に発売されたモデルであり、他社の最新M.2対応SSDと比較すると、かなり物足りない性能だった。しかしWD Black NVMe SSDは、その不利な状況を一気に覆す、非常に魅力的なモデルに仕上げられている。

NVMe対応モデルとしては安価で、性能も申し分なし。現時点でのベストバイに近い存在であるのは間違いない

　片面実装なので薄型のモバイルノートPCの換装用としても利用しやすく、価格もNVMe対応モデルとしては比較的安いため、購入しやすい。現時点でのベストバイに近い存在であるのは間違いない。

【関連サイト】

• Western Digital
• 製品情報