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SATA版Extreme Pro&HDDとPCゲームや動画編集でベンチマーク

“エキプロ”伝説再び、SanDisk Extreme Pro M.2 NVMe 3D SSDのストロングポイント

2018年06月26日 20時15分更新

文● 加藤勝明 編集●ジサトライッペイ

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今回検証に使った「SanDisk Extreme Pro M.2 NVMe 3D SSD」の500GBモデル。2280モジュールで、M.2 NVMeに対応しているマザーボードやノートPCなどに取り付けられる。実売価格は2万3900円前後。

 “エキプロ”という名で親しまれ、PCユーザーに絶大な人気を誇ったSSDブランドがある。SDカードやUSBメモリーなどのフラッシュメモリーデバイスの大御所であるサンディスク社が2014年にリリースしたSSDのシリーズ「SanDisk Extreme Pro SSD」がそれだ。SATA接続の2.5インチというありふれたスペックながら、保証期間は破格の10年、そして何より同社ブランドへの安心感が人気を呼び、あっという間にコアなPCユーザーの定番SSDのひとつとなった。

 だがそのエキプロも2016年、突如としてディスコン(生産中止)が宣言されてしまう。10年保証体制を維持するためのメーカー在庫を確保した上での決断だったのだろうが、困ったのはまだ購入できていなかったユーザーだ。今ではエキプロの値段はプレミアム値がついており、960GB版の新品は12万円近い値段がついている。

 しかし、この絶望的な状況がようやく動いた。サンディスクが満を持してエキプロの後継モデル「SanDisk Extreme Pro M.2 NVMe 3D SSD(以降、NVMe版Extreme Proと表記)」をリリースしたからだ。今どきの自作PC事情に合わせ、形状はPCIe 3.0×4のNVMe M.2対応へと進化した。

 今回はこのNVMe版Extreme Proがいかほどの性能なのかベンチマークを交えつつ検証してみたい。

過去、エキプロ旋風を巻き起こしたSATA版Extreme Pro。

シーケンシャルリード毎秒3400MBの爆速モデル

 一応簡単にNVMe版Extreme Proのスペックを確認しておこう。基本的なスペックは現在サンディスクの親会社にあたるウエスタンデジタル社がすでに発売している「WD Black NVMe SSD」と同じ。むしろ両者の違いはラベルの違い程度と言って良い。コントローラーはWD製のオリジナルのもの(型番は非公開)、フラッシュメモリーは東芝&サンディスク連合が開発した64層TLCである“BiCS3 3D NAND”を採用している。

 WD Blackのラインアップでは250GB/500GB/1TBの3モデルだが、NVMe版Extreme Proは500GB/1TBの2モデルという点のみが異なる。NVMe版Extreme Proのメインターゲットであるクリエイターやパワーユーザーにとって、250GBは容量的に選択肢から自動的に外れるということだろうか。

NVMe版Extreme Proのスペック。WD Black NVMeとの差異は、250GB版がExtreme Proには存在しないことだけだ。
「CrystalDiskInfo」の最新版でNVMe版Extreme Proの情報を拾ってみた。PCIe 3.0×4で接続され、プロトコルはNVMeであることなどが示されている。注目したいのは温度が56℃と高めな点だが、これについては後述する。

 パフォーマンスの部分に関して言えば、一部領域をSLCキャッシュとして運用して性能を向上させる技術“nCache”が「nCache 3.0」に更新されている。この部分もWD Black NVMeはもとより、「sn720」や「sn520」といったサンディスク製現行NVMe SSDと共通仕様になっている。

 ただひとつ残念なのは、保証期間が10年でなく5年に半減してしまったことだ。10年間の保証体制を維持するためには相当量のメーカー在庫を確保せねばならないことを考えるとやむなしという判断だろう。

SSDの状態や最新ファームウェアの更新チェックなどを実施できるツール「SanDisk SSD Dashboard」。

 今回は以下のようなテスト環境を用意し、NVMe版Extreme Proの500GBモデルとSATA版Extreme Proの480GBモデルでどういった差が出るかを検証する。さらにベースラインのストレージとして、毎分7200回転のHDDも準備した。また、検証するドライブにはすべてOSやベンチマーク環境をセットアップしており、それぞれCドライブとして使った時のパフォーマンスを比較するものとする。

【検証環境】
CPU:Intel「Core i7-8086K」(6C/12T、定格4GHz、TB最大5GHz)
マザーボード:GIGABYTE「Z370 AORUS Gaming 7」(Intel Z370)
メモリー:G.Skill「F4-3200C14D-16GFX」(8GB×4、DDR4-2666で運用)
グラフィックスボード:NVIDIA「GeForce GTX 1080 Founders Edition」
ストレージ:サンディスク「Extreme Pro SDSSDXPM2-500G-J25」(M.2 NVMe SSD、500GB)、サンディスク「Extreme Pro SDSSDXPS-480G-J25」(SATA SSD、480GB)、東芝「MD04ACA400」(SATA 7200rpm HDD、4TB)
電源ユニット:SilverStone「SF850F-PT」(850W、80PLUS Platinum)
OS:Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(April 2018 Update適用済み)

単純なファイルコピーではSATA版に対して歴然とした差が出る

 手始めに「CrystalDiskMark v6.0.1」を利用してリード・ライト性能をチェックしよう。使用するデータセットは50MiB/1GiB/8GiBの3パターンだ。ウィンドウが並ぶと見辛いので、縁取りの色を変えてみた。NVMe版Extreme Proが赤、SATA版Extreme Proが紫、そしてHDDが水色となっている。

「CrystalDiskMark v6.0.1」テストデータ50MiB×3時のリード・ライト性能。
「CrystalDiskMark v6.0.1」テストデータ1GiB×3時のリード・ライト性能。
「CrystalDiskMark v6.0.1」テストデータ8GiB×3時のリード・ライト性能。

 NVMe版Extreme Proのシーケンシャルリード(Q32T1)の値はどの条件でも毎秒3400MBを超えている。データセットが8GiB時のシーケンシャルライトのみ、50MiB及び1GiB時のそれを毎秒700MBほど下回っているが、これはnCache 3.0の特性によるものと推察できる。しかし、全体的にはカタログスペックどおりのパフォーマンスと言ってよさそうだ。

 続いてはファイルコピー速度を比較する。テストデータは容量約2.3GBのMP4動画、テキストファイル500MBぶんに雑多な画像ファイルや動画ファイルを500MBぶんを入れたフォルダー(ファイル数は約1万4000個)の2パターンを準備した。テストデータはデスクトップに置き、その場で右クリックでコピー→ペーストし、ファイルコピーのダイアログが消滅するまでの時間を計測した。1回計測するたびにPCを再起動し、次のテストは起動5分後に実施というサイクルで実験している。

 そして、テストは各々5回実施し、そのうちの最大値と最小値を除外した中央3回ぶんのデータの平均値で比較する。

単一の動画ファイル約2.3GBをコピーした時間。
約1万4000個のファイルで構成されたテキスト500MB+動画500MBのフォルダーをコピーした時間。

 特に大きな単一ファイルのコピーではNVMe版Extreme Proは劇的に速い。HDDと比べると10倍近い作業時間短縮が見込める。雑多なファイルになるとSATA版Extreme Proに大きく詰め寄られるが、これはサンディスク製品の特性というよりも、SSDの特性と言うべきものだ。

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