Western Digitalは5月17日、SSDのハイエンドブランド「WD Black」の新モデル「WD Black NVMe SSD」を発表した。自社製のコントローラーや最新の3D NANDフラッシュメモリーを搭載することで、シーケンシャル/ランダム問わず大幅に性能を向上したことが最大の特徴となる。
すでに発売も開始されており、500GBモデルで2万8000円前後と比較的低価格であることも魅力の1つだ。今回はこのWD Black NVMe SSDの500GBモデルを試用し、一世代前の「WD Black PCIe SSD」からどの程度の性能向上を果たしたのかを検証していこう。
1TBモデルを追加し
基板色もつや消し黒に変更
Western DigitalのSSDは、「WD Green」「WD Blue」、そして今回発表されたWD Blackという3つのブランドに分けられている。WD Blackは、高性能を求めるユーザー向けのハイエンドブランドとして位置づけられており、ほかのブランドと違ってM.2対応モデルのみ、2.5インチモデルはラインナップしていない。
WD Black NVMe SSDでは250GB、500GB、1TBという3モデルを用意し、税込実売価格はそれぞれ1万5000円前後、2万8000円前後、5万2000円前後だ。大容量モデルの需要拡大に合わせ、WD Black PCIe SSDにはなかった1TBモデルを追加している。
冒頭でも述べたとおり、スペック上の性能向上は著しいものがある。500GB前後のモデルで比較すると、シーケンシャルリードは約1.65倍、シーケンシャルライトはなんと約3.1倍だ。ランダムリード/ライト性能も約2.4倍と、大幅な高速化を果たした。具体的な数値は、下記のスペック表を参照してほしい。
WD BLACK NVME SSDシリーズスペック表 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
容量 | 250GB | 500GB | 1TB | |||
コントローラー | 自社製コントローラー | |||||
シーケンシャルリード | 3000MB/秒 | 3400MB/秒 | ||||
シーケンシャルライト | 1600MB/秒 | 2500MB/秒 | 2800MB/秒 | |||
ランダムリード(4KQ32) | 22万IOPS | 41万IOPS | 50万IOPS | |||
ランダムライト(4KQ32) | 17万IOPS | 33万IOPS | 40万IOPS | |||
MTBF(平均故障間隔) | 175万時間 | |||||
TBW(書き換え可能容量) | 200TBW | 300TBW | 600TBW | |||
製品保証 | 5年間 |
旧モデルのWD BLACK PCIE SSDシリーズスペック表 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
容量 | 256GB | 512GB | ||||
コントローラー | 非公開 | |||||
シーケンシャルリード | 2050MB/秒 | |||||
シーケンシャルライト | 700MB/秒 | 800MB/秒 | ||||
ランダムリード(4KQ32) | 17万IOPS | |||||
ランダムライト(4KQ32) | 13万IOPS | 13万4000IOPS | ||||
MTBF(平均故障間隔) | 175万時間 | |||||
TBW(書き換え可能容量) | 80TBW | 160TBW | ||||
製品保証 | 5年間 |
基板の色は青から黒になり、ブランドネームにふさわしい色になった。表面にコントローラーとフラッシュメモリーチップを搭載する片面実装タイプで、裏面にはチップを搭載しない。
接続しているSSDの状況やファームウエアのアップデート、Secure Eraseなどが行なえるユーティリティー「WD SSD Dashboard」に対応する。ドライブごとのバックアップや複製などに対応する市販のバックアップソフト「Acronis True Image」の機能縮小版をダウンロードして利用でき、ドライブごと環境を移行しやすいのもうれしい。
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