4月28日から開催中の春のヘッドフォン祭 2018。注目機種のひとつが、ゼンハイザーがフラッグシップを更新した「HD 820」だ。これまでのHD 800シリーズは開放型であったが、密閉型。と言いつつも、イヤーカップの空間はかなり大きくとられており、かつ強化ガラス製のカバーで中が透けて見える。内側に向かって緩やかなカーブを設けて、ドライバーの背面から放出される音を効果的に拡散している。ドライバーの直径はHD 800 Sと同じ56㎜で、開放型の従来機のサウンドをそのままに、利用シーンの柔軟性が高い密閉型にした機種となる。
実際に聴いてみると、不思議な感じだ。HD 800 Sと雰囲気が非常によく似ている一方で、密閉型に多いはっきりと輪郭が立った音になっている。一方で空間の広さや立体感など開放型的なテイスト。両者のいいとこどりをしたような面白い出来栄えだ。価格的には30万円程度になってしまうそうだが、外観のプレミアム感をふくめて、ハイエンド機種の筆頭としてぜひ一度聴いてほしい製品になっている。
ゼンハイザーと同じ6Fにはタイムロードもブースを構えている。ULTRASONEの新製品は特にないとのことだが、人気で品薄のCHORD Electronicsの「Qutest」。そして今後取り扱いを始める予定だという、イタリアPATHOSの製真空管ハイブリッドヘッドフォンアンプを展示していた。比較的小型の「AURIUM」と、DACなども内蔵してフルサイズの「INPOLEAR」の2機種。まだ価格・発売時期などは未定。かなり高価な製品になりそうだが、外観を含めて印象深い製品であり、発売が楽しみだ。
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