付属のカップを使わず
缶飲料を直接保温するのは難しい
実際に筆者はランチタイム時のスープの保温用として、付属のカップを使い、ティファールで沸かしたお湯で作ったインスタントのコーンスープを試してみたが、ゆっくり飲んでも食事の最後まで暖かくいただくことができた。
一方、自販機で買ったアイスコーヒーが常温まで戻った状態で、デスクトップ冷熱カップの実力を試してみたが、1時間近くたってもアイスコーヒーにはならない。すでに冷熱プレートの周囲には霜が一杯付いても、冷え方は極めて遅くて緩い。
丸型の冷熱プレートの詳細サイズは前述したが、冷却がうまく進まない最大の理由は、冷熱プレートと缶コーヒー底面の接触面積の少なさだ。
運悪く筆者が自販機で買った缶コーヒー(PRIDE OF BOSS)は底面の直径はマッチしたが、底面の位置が高く(深く)、前述した冷熱プレートの頂上のテーブル部分が缶コーヒーの底面にまったく触れていないことが一番大きな要因だ。
缶コーヒーは底面の円周の淵だけで冷熱プレートと辛うじて接触しているだけだ。これではいつまで待っても冷却効果は出ないことは間違いない。
実際に1時間経過後に缶コーヒーのプルトップを開けて飲んでみたが、ほとんど常温と差はなかった。
常温になってしまった缶コーヒーを再びアイスコーヒーにすることは諦めて、今度は350mlの炭酸飲料(Dr Pepper)で同じことをやってみた。
ところが、今回も缶コーヒーの時と同じくまったく冷える感じはなかった。大きな直径の缶は冷熱プレートの最外周の淵だけが接している状況だった。
また、ビールを含むほとんどの炭酸系飲料は、内部圧の関係か、底面が内側に丸く膨らんだ特異形状を標準的に採用しており、冷熱プレートのフラットなテーブル部分はまったく缶の底面に触れもしない。これでは冷却できるわけがない。
実際に付属のカップの底面と、炭酸系飲料缶の底面の外観形状を比べてみると一目瞭然だ。
カップの底面は冷熱プレートに100%触れるフラットな構造を採用しているが、独自のデザインを踏襲している缶飲料系の底面形状はあまりにも デスクトップ冷熱カップの冷熱プレートに不向きなデザインだ。これでは冷えるわけはない。
今回、原稿を書く前に、季節柄、ホット系飲料がほとんどなくなってしまっている近所の自販機を10台ほどハシゴして、購入した8本の缶飲料の内、直径や底面の形状などの難関条件をクリアしてなんとか恩恵にあずかれたのは月桂冠の「甘酒」の1本だけだった。
あくまで付属のカップを使うのが定石だが……
今回紹介したデスクトップ冷熱カップ……確率の極めて低い市販の缶飲料の常温からの冷却、加熱に過剰な期待をすることなく、現在の温度を保つことと付属のカップを利用できる飲料だけに限定しておくのがハートによさそう。
しつこい筆者は最後の悪あがきで、冷熱プレートの接触面積改善を実施。ぴったりサイズのビットコインを買い、ゲタ上げ作業をしてみた。ビットコインは奮闘し、霜だらけになって冷えきったが、肝心のアイスコーヒーにはまるで効果なかった。
やはり付属のカップでできることだけに集中すべきだ。しかし、それなら5980円の高価格は疑問だ。
今回の衝動買い
アイテム:
デスクトップ冷熱カップ
価格:サンコーレアモノショップにて5980円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるKOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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