いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第13回
ここまで多機能なのは珍しい
非常に多機能、使い込むのが楽しみな「FiiO X7 Mark II」 (3/4)
2018年04月10日 17時30分更新
サクサクとした動作、音楽専用モードも備える
電源を入れて実際に使ってみる。SoCはRK3188(クアッドコア1.4GHz)とのことだが、カスタマイズされ、アプリなども最小限にしたAndroidが不満なくサクサクと動作する。
本機の特徴のひとつに音楽再生専用の「Pure Music」モードなど複数のUIが選べる点がある。Pure Musicモードでは、音楽再生アプリの「FiiO Music」だけが起動し、Androidのミキサー処理もバイパスし、ビットパーフェクトの信号をDACに直接送れるという。また不要なアプリなどが起動せず、CPU負荷が下がる点も高音質化に貢献するそうだ。UI自体もシンプルで分かりやすく、普段使いに適したモードだと言えるだろう。
一方「Androidモード」では、スマホなどと同様にGoogle Playストアが利用でき、「Spotify」や「Deezer HiFi」といったストリーミング再生アプリを自由に追加できる。
これらのアプリではAndroidのミキサーを通した再生になる場合もあるが、「USB Audio Player PRO」と「Neutron Player」の2つに関しては、FiiO Musicと同じX7 Mark IIのハードウェアを直接制御するための仕組みを取り入れている。Androidのミキサーを介さないビットパーフェクト再生が可能だという。また、USB DAC出力時に限れば、オンキヨーの「HF Player」もビットパーフェクト再生ができるそうだ。
ハイレゾプレーヤーと言えば、USBなどでパソコンと接続し、購入した楽曲を転送して使うのが普通だが、最近の音楽再生環境を考えると、これだけでは不十分だろう。いまの音楽再生環境としてストリーミング系サービスは欠くことができないものになっているからだ。
実際、Deezer HiFiやSpotifyは配信時のビットレートも高く設定されており、ジャズやクラシックでは、ヘッドルームを広くとった音質面での満足度も十分に高い音源が含まれている。これをヘッドフォンで高音質に聴きたいと思う人は多いはずだ。X7 Mark IIの場合、ライン出力やデジタル出力も装備しているので、すでに据え置きのオーディオシステムを持っているという人であれば手軽にスピーカー再生も楽しめる。
このあたりの柔軟性はソニーやAstell&Kernなど専用プレーヤーにはない利点だ。Google Playの利用はオンキヨーの「DP-X1A」でもできるものの、FiiOの場合、PureMusicモードのUIが分かりやすくできており、よりスムーズに使える印象だ。使いやすさに関しては、個人の意見なので異論もあるかもしれないが、目的をシンプルに達成できるプレーヤーとして好印象を持った。
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