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いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第13回

ここまで多機能なのは珍しい

非常に多機能、使い込むのが楽しみな「FiiO X7 Mark II」 (1/4)

2018年04月10日 17時30分更新

文● 小林 久 編集●ASCII

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 ポータブルオーディオのイベントに足を運ぶと、多くの製品を目の当たりにする。出展ブランドは、軽く100を超えるほどだ。しかしその多くはヘッドフォンやイヤフォンだ。たまにUSB DACやポータブルアンプも見かけるが、プレーヤーの開発に取り組んでいるブランドは10あるかないか。思いのほか少ない印象だ。

 やはり開発の難しさがあるのだろう。「最新フォーマットに対応して音がいい」。ここが最も重要な部分であるが、GUIの作りこみやローカライズ、将来にわたったアップデートなど、それ以外に必要な要素も多々ある。さらに最近ではネットワーク機能を持つのが当たり前になっている。各国の規格に合わせた認証を取る必要もある。開発リソースが大幅に増えてしまうのだ。

 こういう事情を鑑みると、長年にわたって継続するブランドには、本当に価値があると感じる。今回紹介する中国のFiiOは、新興ブランドの一角を占めるが、すでに10年の歴史を持ち、世界的な評価も高いブランドとなっている。

 ブランド名は「Hi-Fi」にデジタルを意味する「1・0」を組み合わせた造語。潤沢な開発リソースを活かし、「リーズナブルな価格でいい音を届ける」をコンセプトにした製品を数多くリリースしている。

多機能ぶりはさすがフラッグシップ機

 この記事で紹介するのはそんなFiiOの最新機種のひとつ「X7 Mark II」だ。

 ESS TechnologyのハイエンドDACチップ「ES9028PRO」を搭載した同ブランドのフラッグシップ機。高音質化のため、モバイル向けではなくあえて据え置き機用のDACを採用した点にも注目だ。384kHz/32bitのPCM、11.2MHzのDSDなど最先端のフォーマットの再生が可能。さらに2.5㎜4極のバランス駆動に対応し、2枚のmicroSDメモリーカードを追加することでストレージを最大1TB(512GB×2)に拡張できるなど、現行のハイエンド機に求められる水準は「軽くクリアしている」といっていい。

一般的な3.5㎜3極に加えて2.5㎜4極端子を持ちバランス駆動も可能。アンプ部「AM3A」は着脱可能だ。

 さらに拡張性や連携性についても、2.4GHz/5GHz両対応のWi-Fi接続機能(11a/b/g/n)、USB DAC機能、LINE-OUT/光デジタル/同軸デジタル出力共用端子、aptX対応のBluetoothなど十分だ。Android 5.1ベースで開発されており、Google Playなどでアプリを入手して追加もでき、ハイレゾ再生だけでなく、Spotifyなど最新のストリーミングサービスも利用できる。

 現在市場にあるハイレゾプレーヤーの中でも機能はトップクラス。量販店での実売価格は10万円弱とちょっと値が張るが、この機能を他社製品に求めるとすれば、この金額では収まらないだろう。金属製本体の質感も高く、ディスプレーも4型IPS液晶(画素密度233ppi)と大画面かつ高精細だ。

標準でケースが2種類付属。オールインワンのコンセプトで作られた製品となる。

 さらにシリコンカバー、レザーケース、スクリーンプロテクターといったアクセサリー類も標準で同梱。これらを個別に買えば1万円は超えてしまいそうだ。これらを踏まえても、非常にコストパフォーマンスが高い製品と言えそうだ。

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