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業務を変えるkintoneユーザー事例 第20回

kintone hive sendaiレポート 後編

人口5000人の村で燃料屋が始めたリフォーム事業をkintoneが支える

2018年04月09日 09時00分更新

文● 柳谷智宣

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業務の中で痛みを感じる課題をkintoneで解消することが重要

 トリは有限会社矢内石油 専務取締役の矢内哲氏。会社名の通り、ガソリンスタンドやプロパンガスといった燃料を扱っているが、別に住宅リフォームの事業も手がけている。今回は、kintoneを活用している住宅リフォーム事業について紹介してくれた。

 「私は2009年、27歳の時には札幌で広告代理店をやっていたのですが、社長である父親が大病にかかりまして、戻ってくるとなりました。本音を言うと都会で働きたかったので、人口5000人くらいの村で働くのはちょっと嫌でした」(矢内氏)

有限会社矢内石油 専務取締役の矢内哲氏

 実際、戻ってみると、朝7時から仕事して、夜は紙を使った閉店作業を行ない、休みは月に2日だけで、同じことの繰り返しで嫌だったそう。

 「もうひとつ驚きだったのが、30年間番頭をしていた母親が顔認証と声紋認証機能の代わりをしていたことです。母親がお客さんの声と名前を全部覚えていたので、私が電話に出るとお客さんは「灯油4本」とだけ言って電話を切ろうとするんです。慌てて『お名前伺ってよろしいですか』というと、『田中さん家の隣だ』と答えるんです(笑)。情報を知るというのがとても大変でした」(矢内氏)

 働いているのが家族だけなら我慢できるが、社員を増やそうとしたときに、これでは駄目だと感じたそう。情報管理の大切さに気がついたのだ。また、衰退産業であるガソリンスタンドを経営しているうえ、オール電化でガスの利用も減ってしまうので、どうしようとも考えていたという。

 「そんな時にガスの取引をしているお客様が、足を伸ばしてお風呂に入りたいんだよね矢内さん、と言いました。燃料とは違う業務でしたが、相談してくれてちょっと嬉しかったんです。そこで、お風呂を交換してあげたら、とても喜ばれたんです。お客さんに喜ばれたのは、私が実家に帰って初めてのことでした。そこで、これが次の事業の核になるな、と思ったのです」(矢内氏)

実家に戻ってみたら、仕事が面白くない

燃料屋+リフォーム事業を立ち上げる

痛みを感じる課題にこそアプリが有効

 最初は、矢内氏の祖母の持っている倉庫の一角を借りて、2013年にリフォーム事業をスタート。2~3年は鳴かず飛ばずだったが、少しずつ軌道に乗り始め、2015年1月に初の仲間が2名ジョインしてくれたという。仕事は、外回りと接客事務の内勤。

 「お客さんから問い合わせがあり、商談をして工事をして、アフターケアをして、といくつかのステップがあります。この途中に、いろいろな情報が錯綜します。それまで、妻と私の2人だったのが、もう2人増えただけで、コミュニケーションの本数は約6倍になりました。そこで、エクセルとGmailで管理してみましたが、それでも共有ができないので情報の錯綜は続きました。そこで、サイボウズLiveを導入したのです」(矢内氏)

 無料のグループウェア「サイボウズLive」で案件の進捗が管理できるようにはなったという。しかし、データベース化できないので数字を追うことができなかった。

 「サイボウズLiveを使う際、kintoneの資料ももらって検討していたんですが、情報管理に1ユーザー1500円をかけるという価値観がわかりませんでした。しかし、色々試して駄目だったので、kintoneをやってみようということになりました」(矢内氏)

 2016年1月にkintone導入して、大きな効果が得られたそう。入力の2度手間がなくなり、FAXだった発注受注がペーパーレスになり、モバイル端末でいつでも情報を確認できるようになった。そして、2017年6月にはリフォームショップの2号店をオープン。2つの店舗を1チームで運営している。業務をkintoneでスキーム化しているので、どちらの店に出勤しても仕事ができるという。

 「エクセルやGmail、サイボウズLiveを使っているとき、みんな仕事がうまく進まず痛みを感じてました。スピーディーな情報共有と案件情報の一元化が課題で、まずはそのアプリを作りました。kintone導入カフェを利用し、その後もサポートを活用しました。日報アプリは簡単に作れますが、最初は作らなかったんです。自分たちにとって痛みを感じている課題を解決するアプリを作れたので、kintoneを使い続けられたと思います」

ビジネスのフェーズによって情報共有の課題は異なる

インパクトのある課題から解消していくことに

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