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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第451回

いまさら聞けないIT用語集 フラッシュメモリーの積層技術3D V-NAND

2018年03月26日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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いかに層数を稼ぐかが今後の課題

 一方Samsungはやや遅れたものの、2009年には最初のV-NANDの構造を発表し、2014年には量産ラインに乗せてみせた。Samsungは製造方法について細かくは説明していないが、下の画像を見る限り、大枠では同じと思われる。

SamsungのV-NAND。第2世代では48層だったのが、第3世代では64層になり、そのぶん寸法がスケールダウンして大変になった、という説明。やはり垂直方向は1本まとめて通す方式に変わりはないようだ

 では3Dにするとなにがうれしいかといえば、容量は高さ方向にどれだけ積むかで稼げるので、無理に微細化を進めなくても済むということだ。

 そもそも微細化をあまり進めると、BiCSの製造ではないが、穴を正確にあけるのも、そこに電極を通すのも一苦労である。必然的に微細化はほどほどに留め、そのぶん層数を増やす方向に注力することになる。

 逆に言えばプロセスノードは30~40nm台(正確な数字は各社公表していない)で留まっており、このあたりだとセルの寿命はかなり長めになる。現在のV-NANDはTLCでの記録になっているが、寿命はPlaner型のMLCと同等あたりになっており、これは微細化しなかったおかげとしてもいい。

 ちなみにSamsungはZ-NANDという製品も実用化しているが、これは構造的にはV-NANDと一緒で、ただし記録方式をSLCにしたものである。こうなるとさらなる長寿命と高速性が実現できる(ただしその分容量は減る)。

 このZ-NANDは昨年のSmasung SSD Forum Japanでも説明があったが、今年1月にSZ985 Z-SSDとして公式に発表された

Z-NANDを採用するSamsungのSSD「SZ985 Z-SSD」

 データセンター向けということで価格はそれなりと思われるが、それこそインテルの「Optane SSD DC P4800X」の対抗製品という位置づけにあたる。

 ちなみに現在、3D NAND Flashを製造している各社は、いずれもさらなる層数を積み上げるべく奮闘中である。東芝は200層の製品の実用化に向かって開発中で、Samsungはすでに第5世代製品が96層になることを昨年発表しており、その次で100層を超えるのは間違いない。

 NAND Flashへの容量増加のニーズがなくならない限り、各社は引き続き層数を増やすべく奮闘することになるだろう。

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