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ASCII 春のベストセレクション 2018 第2回

日本初のロスレス配信対応に対応! 新生活を始めるなら、サラウンドも音楽もこの1台

コンパクトで多機能!いい音を目指すなら、進化する「YSP-2700」に注目

2018年03月08日 11時00分更新

文● 野村ケンジ、ASCII編集部

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様々なコンテンツのハブとしても機能する点に注目

 テレビラック付近の空きスペースに気軽に置けて、本格的な7.1chサウンドが楽しめるなど、なかなかの優秀さが光る「YSP-2700」。しかし、この製品のアドバンテージは映像再生だけではない。

MusicCast CONTROLLERアプリ

 Ethernet端子やWi-Fi接続機能を搭載し、ヤマハ独自のワイヤレスネットワーク機能「MusicCast」にも対応しているのだ。ストリーミング配信など、ネットの様々な音楽コンテンツを楽しめる。

 MusicCastは、スマホやタブレットを使って、家庭内のオーディオ機器をコントロールできる機能。YSP-2700はもちろんだが、ヤマハ製のAVアンプや無線スピーカー、楽器などが対応していて、離れた部屋に置いてある機器の音を、また別の部屋で楽しむといったことが手軽にできる。

 このために用意されているのが、専用アプリ「MusicCast CONTROLLER」だ。

 iOS版とAndroid版が用意されていて、YSP-2700とはWi-Fiで接続。基本的な使い方は操作する機器(Roomと呼ばれる)を選び、並んだアイコンをタップして使いたい機能を選ぶ。どのソースを再生するか選ぶためのリモコンと考えて問題ない。

 ここには「Spotify」や「radiko.jp」、「インターネットラジオ」などが並んでいるが、DLNA対応のNASを使っているのであれば、そこに保存した音楽の再生も可能だ(192kHz/24bitのハイレゾファイルにも対応)。スマホやタブレットの中に保存したソース、NASのソース、そしてインターネットで提供されている様々なストリーミングサービス、各種プレーヤーの切り替えなどが、ここで完結することになる。

 ソースによって機器を切り替える手間がなく、映像も音声もひとつのUIにまとめられる。これはとっても便利だ。

 また、Bluetooth接続が用意されている点もうれしい。こちらは「MusicCast CONTROLLER」などアプリのインストールなく利用できる。付属リモコンなどでYSP-2700の入力をBluetoothに合わせ、スマホと接続するだけだ。

 より高音質に再生するのであれば、ネットワーク接続(EthernetやWi-Fi接続)を選びたいが、様々な機器から手軽に音楽再生ができるのはとても便利。こちらも、大いに活用したい機能だ。

注目のDeezer HiFiに対応

 音楽再生機能に関しては、もうひとつ強調しておきたいことがある。

 それは昨年末から国内でもサービスが始まった「Deezer HiFi」に対応している点だ。初めて聞く人もいるかもしれないが、これはSpotifyなど既存のストリーミングサービスよりも高音質なロスレス形式(FLAC)での配信に対応した音楽ストリーミングサービスだ。

MusicCastでDeezer HiFiを再生しているところ

 ストリーミングサービスには、Spotify以外にもアップルやグーグル、アマゾン、LINEなどが提供する様々なサービスがあるが、共通しているのは、ロッシー(不可逆)なAACなどの圧縮音源を使用している点だ。ビットレートを高めに設定して、音質の劣化が少なくなるよう配慮してはいるが、圧縮時に高域の情報や細かなディティールが少し削られてしまい、再生時に復元できない。

 一方、ロスレス形式は圧縮方法が異なり、再生時にソースに含まれた情報すべてが完全に戻る仕組みになっている。

 Deezer HiFiは44.1kHz/16bitのロスレス配信となっており、CDを圧縮せず再生するのと、同等の品質になる。実際にDeezer HiFiと他のストリーミング配信サービスの音を聞き比べてみたが、同じ楽曲でも「高域の抜けの良さ」や「輪郭の明瞭さ」などに明確な違いが出るのを感じ取れた。

 もちろんこの差を感じられるのは、YSP-2700の再生能力があってのものだ。音楽再生に対する実力の一端が表れている。

 ヤマハはこのDeezer HiFiへの対応に力を入れている。Deezer HiFiの進化を存分に引き出すには、Spotify Connectなどと同様にハードウェア側の対応も必要となる。Deezer HiFiにはスマホ版のアプリも用意されているが、こちらはPC版とは異なり、スマホ用に圧縮してビットレートを抑えている。AirPlayなどで再生しても真価が発揮できない。

 現状国内で販売されているハードでDeezer HiFi対応を公式にうたっているのは、ヤマハを除くとオンキヨー・パイオニアのみだ。さらにバー型のスピーカーで対応機種を探すとなると、YSPシリーズがオンリーワン的な選択肢となる。

Deezer HiFiを使ってみる

 Deezer HiFiの利用方法にも簡単に触れておこう。まずはアカウントの登録が必要。PCなどでDeezer HiFiのサイトにアクセスして、必要事項を入力する形となる。月額1980円のサービスだが、初月は無料。さらにMusicCast対応製品を所有しているユーザーは、4月30日までにアンケートに答えて申し込むと、3ヵ月間無料で使える。

Deezer HiFiのPCサイト

 なお、新規に登録する際の注意点として、FacebookやTwitterのアカウントからではなく、メールアドレスとパスワードを指定して登録したほうがいい。MusicCast CONTROLLERからDeezer HiFiを選んで操作する際には、初回にメールアドレスとパスワードを求められるが、うまくできない場合があった。

MusicCast CONTROLLERからYSP-2700が置かれている場所(Room)を選んで、TOPのアイコンから「DEEZER」を選ぶ。

 YSP-2700の電源はMusicCast CONTROLLER上からオン・オフが可能。もちろんテレビ画面を付けずに、音楽再生することが可能だ。起動してRoom(YSP-2700)を選ぶと、Deezer HiFiのアイコンも並んだトップ画面が表示されるので、ここで「DEEZER」のロゴを選ぶ。

メニューから曲を選ぶ。悩んだら「フロー」を選ぶのが簡単。

 Deezer HiFiを起動すると「フロー」「チャート」「推奨」「ミックス」「ジャンル」「検索する」などのメニューが表示される。ここから登録してある、3600万曲以上の楽曲を自由に選べる仕組みだ。ここでアルバムや曲を選ぶとスマホ画面にアルバムアートや楽曲情報が始まり、音楽の再生が始まる。以降はスマホの画面を閉じても問題ない。

 Deezer HiFi独自と言えるのが「フロー」の仕組み。これはランキングやユーザーの好みに合わせて人気の楽曲を自動的に選んで再生し続けてくれるものだ。Deezer HiFiではアカウント登録時に興味のあるジャンルやアーティストを聞く形になっており、その情報を参考に推奨曲を示す。過去に再生した楽曲の数が増えれば、その分だけ好みを反映したリコメンドがされる仕組みだ。推奨との違いは、ユーザーがプレイリストやアルバムをあえて選ばなくていい点。フローを押せば、後はDeezerにお任せとなる。

 Deezerはフランスのサービスだが、クラッシックやジャズ、あるいはポップスなど海外音源を中心に最新のものも含めてかなり豊富に取り揃えている印象だ。日本のアーティストの楽曲も含まれており、増えていくだろう。もちろん気に入った楽曲があれば、DeezerやMusicCastのプレイリストに保存してまた聞くことができる。

気に入った楽曲に出会った際には、プレイリストに保存しておける。再度聞きたいと思った時でも大丈夫だ。

高域や低域の量など、音質調整に関しても細かく調整が可能だ。

 Deezer HiFiを中心にYSP-2700で音楽再生を体験してみて感じたのは、音楽再生機としての水準の高さだ。音楽再生時でもサブウーファーとのつながりも自然で、2chのステレオ再生機としてみても、違和感がない。

 きちんとしたステレオ再生をする際には、左右のスピーカーを壁と距離をとり、等間隔で離して置くなど、それなりに気を遣う必要がある。ワンルームやリビングなどでさらに中央にテレビが必要となると、そのスペースを確保するのが困難だ。しかしYSP-2700であれば、そういったスペースの問題を意識せず、薄型テレビと合わせておくことができる。

 最近ではBluetoothやWiーFi対応スピーカーが登場しており、中にはかなり高級な機種も存在しているが、同じステレオ再生でも通常の一体型製品とは異なり、本体の幅があるぶん、音の広がりの再現という点でも有利だ。スピーカー再生ならではの明確な定位感や音に包まれる感覚が存分に味わえる。

 アクション映画などを迫力あるサラウンドで楽しみたいという用途はもちろん、ミュージックビデオを高品質に再生したり、さらにテレビはつけずに音楽に没頭するといった用途でも実力は十分。映像再生と音楽再生の両方のハブになる機種と言える。スマホを使った選曲操作も手軽で、小音量でも音のバランスが崩れない。BGM的に小さく音を流すといった用途でも活躍しそうだ。

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