JAWS-UG中部・北陸勉強会レポート 第17回
これだけ情報を得られれば、ラスベガスに行く必要はない?
年末のJAWS-UG名古屋はre:Inventの振り返りLT(ただしLong Talk)
2018年02月28日 07時00分更新
ほかにも様々な新サービスがデモを交えて紹介されたLT
ここからはさらに軽やかに、「LTってこのくらいの時間だよね」という一般的な感覚のLT大会に。JAWS-UG名古屋の筒井 孝典さんはAmazon RekognitionVideoを取り上げた。
「Amazon RekognitionVideoは、画像ないの物体、シーン、テキスト、顔の検出、有名人の認識や不適切なコンテンツの識別ができます。残念なことに、東京リージョンではまだ使えないんですが」(筒井さん)
実際に動画を読み込ませてみると、画面内に写っているものとして「people」や「laptop」などのタグが自動的に付与されているのがわかる。有名人は名前で認識されるので、タグをたどれば気になる人が出演しているシーンのみを観ることができる。
「不適切なコンテンツを検出する機能を使って肌色成分が多い画像を節度のない順にならべるeroSORTというデモを作ろうと思ったのですが、間に合いませんでした」(筒井さん)
仮に間に合っていても、肌色成分が多すぎたら写真は掲載できないだろうなと思った筆者だった。
サーバーレス周りの更新情報をまとめてくれたのは、来栖川電算の立野 泰博さん。インフラをAWSに任せて製品開発に専念できることから、「サーバー管理から解放されるサーバーレス開発に馴染むと、あれもこれもサーバーレスで作りたくなる」と立野さんは言う。しかし、なんでもかんでもという訳にはいかない制約があった。
「日次や月次など、一定期間・量のデータが揃って処理するものはLambdaを使えばいいのですが、メモリは1.5GBまで、処理時間は5分までという上限のため、時間がかかる重い処理はサーバーレス化できませんでした」(立野さん)
こうした制約が、re:Invent 2017以降大きく緩和された。メモリは3GBまで増やせるようになり、メモリ増加に応じて高い処理能力が割り当てられるので、これまでは5分以内に終わらなかった処理もサーバーレス化できるようになった。5分以内に終わらずAWS Step FunctionsやAWS Batchで分割処理していたものも楽にサーバーレス化できる可能性が出てきたと立野さんは期待を語った。
ロードバランサーという、地味だけど欠かせない機能の機能向上に触れたのは、JAWS-UG名古屋の内木 達也さん。Lightsail ELBを使った面白いデモンストレーションを見せてくれた。一般的にロードバランサーとは、冗長化された同機能のサーバを複数管理し、負荷を分散するためのもの。そんな思い込みを覆してくれた、楽しいデモンストレーションだった。
「今回用意したデモでは片方のサーバーにRedmine、もう片方のサーバーにWordPressをインストールしています。アクセスするたびに、どちらかにつながります。こういう使い方をすると、ロードバランサーも楽しい機能になります」(内木さん)
同じIPアドレスだけど、どのサービスにつながるかわからない。色々とアイディアが広がる使い方ではないだろうか。だれか、ゲーム要素の強いサイトで実際に運用してみてもらいたい。
LTのトリを飾ったのは、大阪から自転車で駆けつけてくれたという山下 光洋さん。JAWS-UG名古屋の勉強会は初参加ながら、LTに参戦。しかも大阪から名古屋に向かってくる途中にLTの内容を考えてネットカフェに立ち寄ってスライドを作ったとのこと。強者というのはいるところにはいるもので、自動車で走り回るような若輩者としてはこうべを垂れるばかり。
「JAWS-UGでは、懇親会でよく飲ませてもらっています。今更ですが、改めて乾杯させてください!」(山下さん)
ということで終盤の乾杯で場を盛り上げてくれた。2016年にはre:Inventに参加できなかった人を集めて、「re:Ikenvent 2016」を開催したそうだ。せめてラスベガスぽい場所でと派手なお店を選んで開催したらしいが、本心は「来年こそre:Inventに行きたい」とのこと。山下さん、自転車でラスベガスは遠いですよ?
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