さとうなおきの「週刊アジュール」 第21回
Cognitive Servicesでビデオ内の製品名や社名を検出
Video Indexerに「ブランド検出機能」登場、カスタマイズも可能
2018年02月16日 12時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、先週の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Azure Cosmos DB:グラフAPIがGA
Azure Cosmos DBは、複数のデータモデル/APIをサポートしたグローバル分散型のNoSQLデータベースサービスです。
Azure Cosmos DBがサポートするデータモデル/APIの1つに、グラフAPIがあります。グラフAPIは、2017年5月のBuild 2017カンファレンスでプレビューがリリースされ、2017年11月のConnect 2017カンファレンスで2017年内にGAする予定であることが発表されていました。
本連載で紹介し損ねていたのですが、2017年12月に、グラフAPIがGAになっていました。併せて、パフォーマンスと安定性の改善、Python、PHPのサポート追加が行われています。
また今回、Azure Cosmos DBでバルクインポートライブラリのプライベートプレビューが発表されました。プレビューに興味のある方は、登録してください。
詳細は、ブログポスト「Azure #CosmosDB: Recap of 2017」、「Azure #CosmosDB Graph API now generally available」をご覧ください。
Azure App Service:Azure CLI拡張機能など
Azure App Serviceは、Webアプリ、Web API、モバイルバックエンドをホストするためサービスです。
今回、Azure CLI向けのAzure App Serviceの拡張機能がリリースされました。
この拡張機能を使うと、「az webapp new」コマンドでAzure App ServiceのWebアプリを新規作成できます。現在は、LinuxベースのAzure App Service向けのNode.jsアプリケーションがサポートされており、今後、.NET Coreアプリケーションのサポートも予定されています。このコマンドは、内部で、リソースグループの作成、App Serviceプランの作成、Webアプリの作成、アプリケーションのZIPデプロイを行います。
詳細は、ブログポスト「az webapp new – where new is always better!」をご覧ください。
また、Azure App Serviceの1月のアップデートとして、次の機能追加がありました。
- Azure App Service(Windowsベース、LinuxベースのWeb App for Containers)、Azure Functions共通の、新しいアプリケーション設定のUX
- MySQL in-appのデータインポート/エクスポート
- 新しいFAQのUI
- Web App for Containersの.NET Core 2.0サポート
詳細は、ブログポスト「January 2018 App Service update」をご覧ください。
Azure Service Fabric:Visual Studio 2017 Service Fabric Toolsのアップデート
Azure Service Fabricは、Windows Server/Linux上で動作するマイクロサービス・プラットフォームであり、コンテナーオーケストレーターでもあります。
2017年10月に、Visual Studio 2017向けのAzure Service Fabricの拡張機能「Service Fabric Tools」のプレビューがリリースされていました。
今回、このプレビューがアップデートされました。今回のプレビューは、Visual Studio 2017 15.5以降、および、最新のVisual Studio 2017プレビューで利用可能です。
この拡張機能を使うと、.NET Frameworkプロジェクトのコンテナー化、ローカルのAzure Service Fabricクラスター上での実行やデバッグ、Azure Container Registryへのコンテナーの発行、リモートのAzure Service Fabricクラスターへのコンテナーのデプロイ、Visual Studio Team Services(VSTS)デプロイタスクがサポートされます。
詳細は、ブログポスト「Updated Preview Tooling for Visual Studio 2017」をご覧ください。
Azure API Management:タグ付けのパブリックプレビューなど
Azure API Managementは、既存のAPIに対するAPIゲートウェイのサービスです。
今回、Azure API Managementで、タグ付け機能のパブリックプレビューがリリースされました。この機能を使うと、APIやAPIの操作に対してタグを指定し、タグを使って検索やフィルタリングを行うことができます。
詳細は、ブログポスト「Tagging – now available in public preview」をご覧ください。
API発行者向けのAzure API Management発行者ポータルで提供されている管理操作を、すべてAzureポータルで行えるようになったため、4月1日以降、Azure API Management発行者ポータルを利用できなくなります。
なお、API開発者向けのAzure API Management開発者ポータルは引き続き利用可能です。
詳細は、ブログポスト「Publisher portal deprecation – April 1, 2018」、「Release notes – February 6 2018」をご覧ください。
また、4月1日以降、TLSのデフォルト設定が変更され、デフォルトでTLS 1.0/1.1、3DESが無効化されるようになります。
詳細は、ブログポスト「Upcoming changes to TLS defaults in API Management required to maintain compliance」をご覧ください。
Azure Search:新しいハードウェア構成による各種上限の拡張
Azure Searchは、フルテキスト検索サービスです。
今回、一部のAzureリージョンで、Azure Searchのパフォーマンスがアップグレードされ、以前のハードウェア構成に比べて約2倍のコンピューティング能力を持つようになりました。これによって、インデックス作成やクエリのパフォーマンスが改善します。
Standardプランでは、以前のHDDに代わってSSDが使われるようになりました。
Standardプラン、Basicプランでは、以前設定されていたドキュメント数の上限が撤廃されました。
Basicプランでは、インデックス数の上限が5から15に拡張され、データソース/インデクサー数の上限が15になりました。
Standard 3高密度プランでは、パーティションあたりのドキュメント数の上限が撤廃されました。
なお、現在、東日本リージョンでは、Azure Searchはサポートされていません。西日本リージョンでは、今回強化された新しいハードウェア構成はまだ利用できず、今回の一連の改善は適用されません。
詳細は、ブログポスト「Azure Search service upgrades: New hardware, unlimited document counts, and more!」をご覧ください。
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