すべてのサービスを国内から提供へ、中小企業向けクラウド営業拠点の新設も
「Oracle Cloud」日本国内へのデータセンター新設計画を発表
2018年02月15日 07時00分更新
日本オラクルは2018年2月14日、「Oracle Cloud」データセンターを国内に新設する計画を発表した。日本国内のデータセンターから、Oracle Cloudが提供するすべてのクラウドサービス(IaaS/PaaS/SaaS/DaaS)が提供される。加えて、中堅/中小企業市場向けの営業拠点「Oracle Digital Hub Tokyo」開設や営業体制強化なども発表された。
国内データセンターから「Oracle Cloud」の全サービスを提供へ
今回発表された日本データセンターの新設は、米オラクルが2月12日(現地時間)に発表したグローバル規模でのデータセンター拡張計画の一環となる。この拡張計画は、日本のほか中国、インド、サウジアラビア、シンガポール、韓国、オランダ(アムステルダム)、スイス、カナダ(2カ所)、米国(国防省向け2カ所)の、合計12カ所にデータセンターを新設するというもの。
発表によれば、Oracle CloudがラインアップするIaaS、PaaS、SaaS、DaaS(Data as a Service)のクラウドサービス群、さらにセキュリティ、ブロックチェーン、AIといった関連サービス群を、すべて国内データセンターから提供する計画。
同日の発表会で、日本オラクル 取締役 執行役 CEOのフランク・オーバーマイヤー氏は、Oracle Cloudに対する顧客のニーズや意見を鑑みて、日本国内へのデータセンター投資を決定したと説明した。サービス内容や品質をグローバルで均一なものにするため、データセンターおよびサービスの運用は、日本オラクルではなくグローバルのOracle Cloudインフラチームが担当する。
なお現時点では、具体的なサービス開始時期は明らかにしておらず、「できるだけ早期に発表したい」(オーバーマイヤー氏)と述べるにとどまっている。
「(CEO就任から)9カ月の間、顧客企業から多くのフィードバックをいただき、多くの顧客がデータベースワークロードをデータセンターで実行したいと考えていることがわかった。ただし、これまでは他社のクラウドで実行せざるを得ず、パフォーマンスと価格が魅力に欠けていた。オラクルが日本のデータセンターから提供することで、ベストなパフォーマンスが得られ、(クラウドの)コストも下がることになる」(オーバーマイヤー氏)
Oracle Cloudは、2016年から富士通の国内データセンターからも提供されてきた。新設データセンターと富士通データセンターそれぞれの位置付けについてオーバーマイヤー氏は、「新設データセンターは日本市場の顧客からの期待に応え開設するもの」と繰り返したうえで、「今後も(富士通と)協力しながら両立していくことは間違いない」と語った。
中堅中小企業向けのデジタル営業拠点を新設、営業人員を倍増
今回の発表では、中堅/中小企業(SMB)やクラウドネイティブなスタートアップ企業向けの新たな営業拠点となるOracle Digital Hub Tokyoを、2018年中期に開設することも明らかにされている。
Digital Hub Tokyoは、東京・青山にある日本オラクル本社ビル内の3フロアを使って構築され、SMB顧客向けに従来とは異なる「テクノロジードリブンな営業スタイル」(オーバーマイヤー氏)を実現するための施設になるという。具体的には、SMB顧客向けにWebカンファレンスを通じたライブデモが実施できる設備などを備え、マーケティングオートメーションを導入したデジタルマーケティングやソーシャルセリングなども展開していく。
またオーバーマイヤー氏は、SMB向け営業組織のオラクル・デジタルにおいて、2019年にかけて営業担当者を新たに200名規模で採用し、現在の人員から倍増させていく計画であることも明らかにした。「オラクル・デジタルでは有望な結果が出ており、営業担当者の増強やDigital Hub開設など、事業投資を強化していく」(オーバーマイヤー氏)。