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RPA、ブロックチェーンなどの自動化テクノロジーを「Oracle Cloud ERP」に組み込み提供

AI/機械学習を「すぐ使える機能」で提供、オラクルERP SaaSの戦略

2018年04月05日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本オラクルは2018年4月4日、クラウドERPサービス「Oracle ERP Cloud」におけるAI/機械学習やRPA、ブロックチェーンなどの新規テクノロジー活用の取り組みを紹介する記者説明会を開催した。一昨年秋に発表したAI戦略「Oracle Adaptive Intelligent Applications(AIA)」をERP Cloudに適用し、経理/財務業務の自動化/効率化を図る「Oracle AIA for ERP」も国内発表しており、今年中に提供を開始する。

AI/機械学習などの新技術をERP Cloudに組み込み、顧客が「すぐに使える」新機能を提供するのがオラクルの戦略だ(赤字が今回の説明会で紹介された機能群)

日本オラクル 常務執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括 ERP/EPMクラウド事業本部長の桐生卓氏

日本オラクル クラウド・アプリケーション事業統括 ERP/EPMソリューション部 部長の久保誠一氏

「SaaSだからこそ新しいテクノロジーが適用しやすい」その理由

 同日はまず同社 ERP/EPMクラウド事業本部長の桐生卓氏が登壇し、経理/財務領域におけるオラクルとしての方向性を説明した。

 オラクルでは、従来提供してきたクラウド(SaaS)型アプリケーションにAIやRPAなどのさまざまな新テクノロジーを組み込み、それを通じて顧客企業における業務改革を支援していく方針だ。今年2月に米国ニューヨークで開催した「Modern Finance Experience 2018」では、経理/財務業務において、RPAやブロックチェーンによる「自動化対象業務の拡大」、AI/機械学習を適用する「自動化範囲の拡張」の取り組みを進めていることが発表されている。

 桐生氏は「AI/機械学習やブロックチェーン、RPAなどを活用して業務の『自動化』を進める(自動化の対象領域を拡張していく)ことが、今後ERPパッケージに求められるものではないか」と語り、特にERP Cloudでは「SaaS採用によって顧客企業の業務プロセスが標準化されているからこそ、新しいテクノロジーが組み込みやすい」ことがポイントだと指摘した。

 そのうえで、オラクルが目指す経理/財務業務改革の姿は、自動化によって単純業務にかかっていた時間を削減し、そのぶんをビジネス成果に直結する本来的な業務に割り当てるものであることを説明した。

 「たとえば、これまでExcelと手作業ベースで行っていたデータ収集や加工を、クラウド化により削減したのが今日(下図の『Today』)。そして、さらにそのデータ分析を自動化し、課題に対するアクションを実施する時間に割り当てるのが将来(『Future』)の姿だ」(桐生氏)

経理/財務業務の改革ステップ(イメージ)。クラウド化や自動化を通じて、ビジネス成果に直結する本質的なアクションに割く時間を捻出できる

「Oracle AIA for ERP」を年内に提供開始

 続いて登壇した同社 ERP/EPMソリューション部 部長の久保誠一氏は、オラクルがERP Cloud周辺で展開している、AI/機械学習やRPA、ブロックチェーンの取り組みを紹介した。

「Oracle Adaptive Intelligent Applications(AIA)」

 AI/機械学習については、前述のOracle AIA for ERPを年内にリリース予定だ。ERP Cloudのオプションとして提供されるAIA for ERPについて、久保氏は、事前に定義された機能をERP Cloudアプリケーションに組み込み提供することで、顧客がすぐに使える点が特徴だと説明した。

 「他社の(より汎用的な機能を提供する)AIプラットフォームでは、ユーザー企業側にデータサイエンティストなどの専門家が必要となったりするが、AIAではその必要がない」(久保氏)

AIAと他社AIプラットフォームとの比較。オラクルにより継続的に拡張/強化される点もメリットだと述べた

 それに加え、顧客自身が持つ学習データだけでなくオラクルやサードパーティパートナーが持つ膨大なデータも用いてトレーニングすることで、より質の高いビジネスインサイトが実現する点、人事やサプライチェーン管理、カスタマーエクスペリエンスなど他のOracle SaaS群との連携も計画されている点なども特徴となる。また、AIによる洞察とサジェストをユーザーが判断した結果に基づいて、個々の企業において自律的に精度を向上させていく仕組みもあるという。

 具体的な適用業務として、久保氏は「仕入先(サプライヤー)選定」や「債権の入金消し込み」を例に挙げて説明した。仕入れ先選定業務の場合、AIAは過去の取引履歴や信用情報、マーケットニュースなどあらゆるデータを加味しながら、自動的に最適な仕入先をサジェストしてくれる。また、入金消し込み処理については、従来のアプリケーションで自動化しきれなかった消し込み処理までも、AIAによりサジェストされるようになるという。

 次にRPA領域においては、オラクルが提唱する「Intelligent Process Automation」という新たなコンセプトと、それに基づき発表された具体的な機能群が紹介された。

 RPAについて久保氏は「日本においては『手入力を補完するもの』と捉えられているが、海外の議論はそれとは異なり、業務プロセス全体の自動化を指したもの」だと述べ、特にこれまで自動化が難しいとされてきた業務の自動化を実現できるかどうかがポイントになっていると指摘した。

マッキンゼーの調査による、財務/会計業務における自動化の可否。オラクルの狙いは「一部可能」や「困難」とされている業務を、新テクノロジーの採用によって自動化していくこと

 具体的な例として、予実管理の支援機能「Adaptive Intelligent Planning」が紹介された。単に業績予測を自動化するだけでなく、予測と実績の乖離が生じた場合はその要因分析も支援し、取るべきアクションを提案する。その際、担当者はチャットボットとの対話形式で分析を進めることができるという。

 「現在はERP上のデータだけを利用しているが、今後の方向性としては、『為替レート』『降雨量』『住宅着工件数』『エネルギー価格』といったサードパーティデータも取り入れ、加味した予測分析を実現していく。また、経理/財務部門だけでなく、人事部門の『要員計画』やマーケティング部門の『キャンペーンプランニング』など、予実管理/分析に近いサービスにも同様の機能を広げていく」(久保氏)

「Adaptive Intelligent Planning」では、マシンとの対話型で予測分析が可能

 このほか、請求書のスキャン画像からの自動的な取引情報入力を強化する「Touchless Transaction」、さまざまなアルゴリズムによる分析で経理/財務関連の不正検知を行う「Automate Financial Controls」の各機能も紹介された。

 ブロックチェーンに関しては、グループ会社間での取引突合処理を例に挙げて、決算業務の迅速化と省力化に資するとした。なお、米国の金融業顧客ではすでにPOC段階にあるという。

 「このように、技術的知見を持たない経理/財務部門の顧客であっても、すぐに利用できる機能を提供していく方針だ。オラクルのクラウドを通じて、イノベーティブな技術をすぐに使うことができる」(久保氏)

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