Core m版のスティック型PCより高性能
ベンチマークはPCMark 10 v1.0.1413とAnTuTu Benchmark HTML5版、ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーターベンチマーク、CrystalDiskMark 6.0.0を実行したほか、4K動画のストリーミング再生もチェックしている。
また比較として、Core m3 6Y30を搭載したIntel Compute Stick STK2M364CCのスコアも計測した。ただ編集部にある同機は油没冷却テストモデルなので、参考値くらいに思ってほしい。
PCMark 10のスコアから見ていくと3010と、少し前のエントリーデスクトップ的な結果となった。実際の操作でも応答性はよく、軽い操作であれば充分に耐えてくれる。
スマホの性能を計測するAnTuTu Benchmarkは、41431。Compute Stick STK2M364CCは28158であったので、世代更新分だけ性能アップというのがよくわかる。
低消費電力のブラウザゲーム専用機にしたり、動画再生専用機にしたりといった用途に耐えてくれるほか、2画面出力時にパフォーマンス低下が気になることはなかったので、やはり軽作業用としての性能は充分と考えていいだろう。
ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーターベンチマークも一応実行してみた。標準品質(ノートPC)/1280×720ドット/フルスクリーンで、2297。意外とスコアが出たため、カジュアルなゲームタイトルであれば低めの設定で安定して遊べそうだ。なお、Compute Stick STK2M364CCは完走できなかった。
熱はどうだろうか。Compute Stickでは長時間起動や動画再生中に熱に負けてしまい、パフォーマンスの低下が気になることが多くあった。そこで4Kのストリーミング再生と、CPUに高負荷を与えるOCCT 4.5.1でテストしてみた。
動画再生は、約20分の4K動画で、再生中のコマ落ちなナシ。またCPU使用率は9~13%、ドッキングベイのファンが高速回転することもなく、静かなままだった。また同動画を2つ同時に再生した場合も同様で、CPU使用率20%付近になった以外の変化ナシ。
次にOCCT。CPU:OCCTを64bit/Large Data Setで30分(前後にアイドル1分ずつ)で実行したところ完走した。ただ負荷がかかりはじめた直後は、ターボブーストで2.6GHzに入ったが、温度も一気に85度に上昇し、動作クロックは1.5GHzに落ち、温度は72~77度の間をうろうろしたまま、設定時間終了となった。
アイドルは40度付近となっており、ウェブブラウズや軽い負荷の場合は、50度台に居座る傾向なので、冷却については充分にできていると判断していいだろう。なおOCCT中はファンが爆音となり、露骨に気になるほどだった。
複数のCompute Cardで物理的にアカウントを分けられるのが利点
NUCやスティック型PCとは違う使い方ができるかで価値が変わる
Compute Cardは、PCMark 10の結果からも分かるように軽い操作については、まったく問題を感じない人が多いだろう。ゲーミングPCはゲーム専用機にして、そのほかをCompute Cardに担当させてもいいし、テレビに接続しておくPCにもちょうどいい。ビジネスシーンにおいては、軽いファイル処理であれば充分、かつ省スペースが魅力的である。CPUベースのマイニング用としても可能性を秘めているので、ハマっている人もチェックしておくといいだろう。
またドッキングベイが複数あれば、本体を持ち運べばいいだけというのも、新しい運用方法といえるだろう。オフィスから会議室へ行く場合にノートではなく、Compute Cardだけということもできるし、家族に渡しておけば、使用するときだけドッキングベイに接続すればいいと、物理的にアカウントを分けることもできる。
従来のように小型PCとして扱ってもいいし、母艦からの操作前提の運用もでき、また前述の通り新しい使い方の可能性も秘めている。まずはサブPCとして性能チェックしてもいいが、思いついた使用方法があったら試したくなる人が多いハズだ。スティック型PC登場時と同じく、出所不明のワクワク感はたっぷりある。

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