マイクロソフトは2018年1月18日、同社の機械翻訳サービス「Microsoft Translator」の利用規約を改定し、Office製品に搭載された翻訳機能についてデフォルトで「トレースなし」にした。
Microsoft Translatorの自動翻訳機能は、翻訳サイトのBing翻訳や、Office製品、Edgeなどに実装されている。ユーザーが翻訳のために送ったデータは、翻訳の精度を上げるための目的で、マイクロソフトが再利用している。
マイクロソフトはこれまで、機密情報を含む社内ドキュメントなどで機械翻訳を利用したいユーザー向けには、データを再利用しない「ノートレース」オプションを用意していた。ノートレースオプションは、同社のAI API群Cognitive Servicesに含まれる「Translator Text API」をS2以上の価格レベルで利用する場合に限り、適用可能だった。
今回同社は、Translator Text APIについて、すべての価格レベルで、デフォルトでトレースなしに変更した。Word、PowerPoint、Excel、Outlook、OneNoteなどのOfficeアプリケーションに搭載された機械翻訳機能は、Translator Text APIを呼び出す実装になっているため、Translator Text APIがデフォルトでトレースなしになったことに伴い、これらのOffice製品から機械翻訳を利用する場合も、翻訳のために送ったデータがマイクロソフトにトレースされなくなる。
なお、一般ユーザー向けに無償提供している翻訳アプリ(Microsoft Translator apps)、翻訳サイト(Translator for Bing)、Edgeの翻訳機能(Translator for Microsoft Edge)では、同社の利用規約に基づき、ユーザーが翻訳のために送信したデータは従来通りマイクロソフトにトレースされる。