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CES 2018レポート 第24回

スマートスピーカーやAIアシスタントの最新動向を探る

こんなものまで声で操作、CESで発見した音声操作の“意外な家電”

2018年01月18日 07時00分更新

文● 山本敦 編集●ASCII

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リビングのスマートテレビもAIアシスタントを搭載

 そしてAIアシスタントをテレビに搭載する戦略もLGとサムスンが大々的に発表した。

 LGは先述のThinQとGoogle アシスタントの両方を2018年発売の有機ELテレビ、液晶テレビの上位モデルに積んでくる。前者でLGのスマート家電とのホームネットワーク機能を主に管理して、Googleのプラットフォームにもハイブリッドで乗り入れる構えになりそうだ。

LGは2018年モデルのスマートテレビにThinQとGoogle アシスタントの両方のAIプラットフォームを搭載していく

Google アシスタントはリモコンのボタンをクリックしてさらにOKグーグルをトリガーにして起動するようだ

テレビから宅内の様々なスマート家電が操作できるようになる

 LGでは自社ブランド以外のスマート家電機器との連携についても、2016年に立ち上がったスマート家電・IoTデバイスのための標準規格団体「OCF(Open Connectivity Foundation)」のパートナー企業と一緒にオープンなコネクティビティを確保していく考えを表明している。スマート家電の製品がもっと増えてくることも条件になるが、これから2~3年のうちに同じOCFに加盟するLGとサムスンのスマート家電がつながって、それぞれのAIアシスタントを使って音声コマンドで操作ができる環境が現実のものになるかもしれない。日本の家電メーカーも輪の中に加わることになるだろう。

サムスンも独自のAIアシスタント「Bixby」をスマホ以外のスマート家電に広げていく

 サムスンは2017年モデルのGalaxyシリーズのスマホに搭載するAIアシスタント「Bixby」を、2018年モデルのスマートテレビや、フロントドアにディスプレーを搭載するスマート冷蔵庫「Family Hub」シリーズに搭載していく。“リビングとキッチン”のふたつをスマートホームの司令塔として、AIアシスタントを活用した豊かな生活を提案する。残念ながらBixbyは日本で使えないし、サムスンのスマートテレビ、スマート家電が日本では発売されていないため、CESの発表はいずれも海の向こうでの出来事になってしまうのだが、今後のエレクトロニクスが向かうトレンドを知るうえではぜひ抑えておきたいトピックスだ。

さらにサムスンのグループであるSmartThingsのIoTデバイスとも連携。インターホンのカメラが捉えた映像をテレビでチェックすることも可能

Bixbyを搭載したサムスンのスマート冷蔵庫

テレビに「OK, Google」と話す……ことへの課題

 ソニーはアメリカで発売しているAndroid TVを搭載したブラビアシリーズで、Google アシスタントにソフトウェアアップデートで対応している。2018年に発売する新製品についてははじめからビルトインした状態で提供する。スマートスピーカーとできることは同じだが、ウェイクワードである「OK, Google」を付属のリモコンのボタンを押してから発声しなければならないので、使い勝手として満足のいくものになるか疑問だ。

ソニーのブラビアも北米モデルがGoogle アシスタント搭載にアップデートされた

 なおLGのテレビもGoogle アシスタントをアクティベートするためには、リモコンのボタンを押してからウェイクワードを発声する必要があるので、Googleが決めたガイドラインなのかもしれない。

ブラビアはAlexa搭載のスマートスピーカーからスキルを呼び出して操作も可能

 音声で検索した結果がテレビ画面にも、表示されて視覚的な情報と合わせて理解を促せるところは便利だと思うが、そもそもテレビの電源をオンにしていない状態から、音声コマンドを受付けてスマートスピーカーと同じふるまいができるのか、あるいはその必要があるのかなど、「AIアシスタント+テレビ」のコラボレーションにはまだUIとUXの面で色々と解決すべき課題がありそうだ。ブラビアが日本でのGoogle アシスタント対応についてまだ「検討中」としている理由もここにあるのかもしれない。

 パナソニックのビエラシリーズについてはAIアシスタントに関連する発表がなかった。代わりに欧州で発売するUHD BDプレーヤーの上位機種にAmazon Alexaを搭載するスマートスピーカーと連携して、ディスクコンテンツの再生・一時停止、早送り・戻しなどシンプルなコマンドを音声で操作できるようになるスキルが追加されるらしい。

パナソニックの欧州モデルのUHD BDプレーヤーがAlexa対応になる

 日本国内でパナソニックは録画機と再生機の両方を展開しているが、それぞれに2018年モデルはAlexa対応になるのか注目だ。なお、同社は車載エンターテインメント機器でAlexaとGoogle アシスタントによる音声オペレーションに対応することをカンファレンスで発表している。

パナソニックは車載エンターテインメントシステムをGoogle アシスタントとAlexa対応に

Alexa搭載の三面鏡で、バスルームからスマート家電を操作

 最後にアメリカのKOHLERというブランドが、AlexaのAIアシスタントとスマートスピーカーの機能を合体させた三面鏡というユニークな製品を発表していたことをお伝えしておこう。

アメリカのKOHLERが発表したスマート三面鏡「Verdera」

 同社ではKOHLER Connectと名付けられた、スマホアプリで操作できるキッチン、バスルーム向けスマート家電のプラットフォームを開発。アメリカと中国で商品を発売している。今年はそれぞれにスマートスピーカーによる音声操作も組み込んでいくという。

スピーカーとマイクを内蔵。スマートスピーカーと同じ使い勝手を実現している

 CESではバスルームのコントロールセンターとしてスマート三面鏡「Verdera」を発表。内蔵するLEDライトのディミングや色調整が音声操作でできるほか、内蔵スピーカーで音楽ストリーミングのリスニングも楽しめるというユニークな製品だ。今年は日本国内でもスマートスピーカーの枠を超えた様々なスマート家電が商品化されることを期待したい。

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