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「VMware virtualization on Azure」発表、VMware環境からの移行を簡単に

マイクロソフト、AzureからVMwareハイパーバイザー搭載のベアメタル環境を提供

2017年11月25日 08時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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 マイクロソフトは米国時間11月21日、AzureでVMwareワークロードを実行するためのベアメタル環境「VMware virtualization on Azure」を提供すると公式ブログで発表した。VMwareのハイパーバイザーを搭載したベアメタルサーバーに、オンプレミスで稼働するVMwareインフラをそのままホストできる。2018年のGAを予定する。

 今回発表したVMware virtualization on Azureは、AWSが8月に提供を開始した「VMware Cloud on AWS」と同様のユースケースを想定したものと捉えてよさそうだ。いずれも、Azure/AWSにベアメタルのVMware環境を用意し、オンプレミスのワークロードのクラウド移行、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境での利用を容易にする。

 マイクロソフトは、従来からオンプレミス環境のAzureへの移行を支援するサービスとして「Azure Migrate」をプレビューで提供していた(今回のブログで、米国時間11月27日に無償でGAになることが発表された)。Azure Migrateは、オンプレミスのVMware環境におけるアプリケーションの依存関係を可視化し、CPU、メモリー、ディスク、ネットワークの使用率を検出する。さらに、移行にAzure Site Recovery(ASR)を使うことで、VMwareハイパーバイザーで仮想化されたWindows ServerとLinuxのワークロードを、最小限のダウンタイムでAzureに移行できるとする。データベースの移行についてもSQL ServerとOracleのデータベースをAzure SQL Databaseに直接移行する「Azure Database Migration Service」や、大容量データを物理搬送するアプライアンス「Azure Data Box」を用意している。

 ブログを投稿したAzure Compute担当ディレクターのコリー・サンダース氏によれば、上記のAzure Migrateによる可視化・検出、ASRでのアプリケーションの移行、Azure Database Migration Serviceなどによるデータベースの移行というステップで、これまでもほとんどのVMwareワークロードは既存のAzureの仮想マシン環境に移行できたとする。

 ただし、Azure仮想マシンはハイパーバイザーとしてHyper-Vを採用していることから、特定のVMwareワークロードでAzureへの直接移行が困難な場合があった。今回発表したVMware virtualization on Azureは、そのようなVMwareワークロードをホストし、他のAzureサービスと組み合わせて利用するためのオプションとなる。

Azure Migrate

 サンダース氏は、VMware Cloud on AWSに対するVMware virtualization on Azureの優位性は、Azure Backup、災害復旧のためのAzure Site Recovery、更新・構成管理、Azure Security Center、Azure Log Analyticsといった多くのAzureサービスが、オンプレミス/クラウドの両方のVMware環境で利用できる点だとしている。

 なお、VMware virtualization on Azureに関する詳細は、PST(米国太平洋時間)11月28日午前10時(日本時間29日午前3時)からウェブキャストで説明される予定だ。

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