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早期導入企業のリコーやNRIも登壇、「vForum 2017」基調講演レポート

「VMware Cloud on AWS」東京リージョンは2018年Q4から、vForumで発表

2017年11月01日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 ヴイエムウェアは10月31日~11月1日、ザ・プリンス パークタワー東京において、同社のプライベートイベント「vFORUM 2017」を開催している。初日の基調講演では、ヴイエムウェア 代表取締役社長のジョン・ロバートソン氏とともに、特別ゲストとしてアマゾンウェブサービスジャパン(AWSJ)代表取締役社長の長崎忠雄氏が登壇。「VMware Cloud on AWS」を、2018年第4四半期からAWS東京リージョンで提供開始すると発表した。

ヴイエムウェア日本法人 代表取締役社長のジョン・ロバートソン氏とアマゾンウェブサービスジャパン 代表取締役社長の長崎忠雄氏。「VMware Cloud on AWS」の国内(東京リージョン)提供予定を発表した

 今年のvFORUMでは「データセンターのモダナイゼーションによるスピードと俊敏性の向上」「ビジネスニーズに対応するためのあらゆるクラウドの連携」、「従業員への優れたモバイル環境の提供」、「データ、企業ブランド、お客様からの信頼の確保」という4つのテーマを掲げ、100を超えるセッションのほか、最新製品群を紹介するソリューションショーケースを用意。企業のデジタルトランスフォーメーション実現を支援する事例も紹介している。

「VMware AppDefense」など領域を広げるヴイエムウェア製品を紹介

 初日の午前10時からスタートしたゼネラルセッションでは、米ヴイエムウェア CEOのパット・ゲルシンガー氏が登壇し、「課題解決を支援する優れたテクノロジーと、ビジネスチャンスを創出する優れたイノベーション」をテーマに講演した。

米ヴイエムウェア CEOのパット・ゲルシンガー氏

 ゲルシンガー氏は「この業界(IT業界)では『分散』と『集中』が繰り返されている。今後20~30年間は、クラウドからエッジへの『分散』の方向に進むことになるだろう」と切り出したうえで、今年8月に米国で行われた「VMworld 2017」の基調講演を踏襲したセッションを行った。

 ゲルシンガーCEOは、ヴイエムウェアの基本ビジョンである「Any Cloud, Any Application, Any Device」について触れながら、スマートファクトリーやスマートシティでの活用が見込まれる「Pulse IoT Center」、エンドポイントの統合管理を行う「Workspace ONE」、セキュアなクラウドインフラを実現する「Cloud Foundation Ver2.2」、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)の「vSAN」「vSAN ReadyNode」、Pivotalの「Pivotal Container Services(PKS)」、新たなセキュティソリューションである「AppDefense」などを紹介した。

 このうちAppDefenseについては、さまざまなベンダーがセキュリティ製品/サービスを発売しているものの「感染予防がしっかりできていない」ことを指摘したうえで、「VMware AppDefenseは、正常な動作を監視し、そこからふだんとは異なる動きを検知することで、マルウェア感染などの脅威を効率良く検知するもの。先月から提供を開始しているが、すでに高い評価を得ている」と説明した。

 またVMware Cloud on AWSについてゲルシンガー氏は、「現在は米国西海岸リージョンだけで提供しているが、近々、(米国)東海岸リージョンでのサービス提供も開始する。機能拡張やハイブリッドクラウドとして活用する事例が出ている」と説明した。

日立との協業による「高信頼性プラットフォーム」の取り組みを紹介

 ヴイエムウェア日本法人社長のロバートソン氏はまず、日本市場における顧客ニーズの変化に触れた。従来は「vSphere」や「Horizon」が売上の7~8割を占めていたが、最近ではNSXやvSAN、Workspace ONEといった新領域の製品比率が高まっており、これは「日本の顧客が期待している製品を投入できている」結果だと語った。

 さらにロバートソン氏は、日立製作所との協業により、金融や公共分野などの社会インフラ向け高信頼プラットフォームの新ソリューション開発に取り組むことを発表した。これはミッションクリティカルシステムを持つ顧客向けの仮想化基盤となるもの。登壇した日立製作所 執行役常務 サービス&プラットフォームビジネスユニットCOOの大槻隆一氏は、「まずはVMware vSphereをベースとした高信頼性プラットフォームソリューションを、金融分野向けに、2018年春以降に投入する」と説明した。

 続いてヴイエムウェア 上級執行役員副社長の山中直氏が、ステージにゲスト企業を招きながら、幾つかの導入事例を紹介していった。Workspace ONEの導入企業としては、“働き方改革”に取り組むNECが登壇。「Workspace ONEによってグローバル10万人を管理でき、iOSやAndroidだけでなくWindows 10搭載PCも管理ができる点が導入の決め手。まずは社員3000人でスタートし、今後、グローバルに広げていく」(NEC スマートネットワーク事業部 事業部長の市竹史教氏)と述べた。

「VMware Cloud on AWS」を先行導入したリコー、NRIも登壇

 また今夏からVMware Cloud on AWSを先行導入しているリコー、野村総合研究所(NRI)の2社も登壇し、その活用状況について報告した。

リコー デジタル推進本部情報インフラ統括部の若杉直樹部長(右)と、野村総合研究所 執行役員 基盤サービス本部 本部長の安齋豪格氏(中央)

 リコー デジタル推進本部情報インフラ統括部 部長の若杉直樹氏は、VMware Cloud on AWSについて「コスト面、運用面、セキュリティ面での効果を発揮することを期待している」とコメントした。「リコーはパブリッククラウドを積極的に活用するという方針に転換しており、そこでVMware Cloud on AWSが有効だと考えた。活用してみて感じたのは、vCenterで共通管理ができることのメリット。しかし現時点では、NSXが利用できないなどの課題もある。日本国内のリージョンを早期に立ち上げてほしい」(若杉氏)。

 また、野村総合研究所 執行役員 基盤サービス本部 本部長の安齋豪格氏は、「VMware Cloud on AWSが発表されたときには、競合する両社が手を組むことに驚いた。プライベートクラウドをパブリッククラウドに移行したという要望は数多く出ていたが、これを実現するための高いハードルを解消するものとして期待している」と述べた。「まだ最初の段階であるため、使えないものや、出来ていないものがある。その進化を期待したい。運用管理の共通化には高い評価をしている。FISC(金融情報システムセンター)などの認証取得にも対応してほしい。バックアップセンターとしても活用できる。大阪リージョンの設置にも期待したい」(安齋氏)。

 ネットワーク仮想プラットフォームのNSXについては、みずほ情報総研の導入事例が紹介された。「みずほクラウドのSDNにNSXを導入した。構築速度の短縮化を実現するとともに、サーバーチームとネットワークチームが相互に知識と情報を共有することができ、物理ネットワークと仮想ネットワークの双方の最適化を実現できた。パブリッククラウドとプライベートクラウドのシームレスな運用と統合管理にメリットがある」(みずほ情報総研 銀行システムグループ 専務取締役の向井康眞氏)。

 なお基調講演では、ヴイエムウェアが自社組織の活性化のために取り組む「EPIC2」についても説明がなされた。EPICは「EXECUTION/PASSION/INTEGRITY/CUSTOMERS/COMMUNITY」の頭文字を取ったもので、ロバートソン氏によれば、日本法人の社員を海外オフィスに派遣して働いてもらったり、日本人以外の社員を積極的に雇用したりしているという。また、大学生を対象にテクノロジー人材育成を図る「VMware University Challenge」も実施していることを紹介した。

 最後にゲシルシンガーCEOが、「われわれのいる業界には大きな機会がある。CEOとして楽しいのは“価値を高めること”である。ヴイエムウェアは、最善のテクノロジーパートナーとして存在している。すべての社会をよりよいものにすることに貢献したい」と語り、基調講演を締めくくった。

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