Ryzen Mobileは設計目標を
大幅に超えた性能を発揮
Ryzen Mobileでは、新たにCC6とCPU OFF/GPU OFFの際のPower Gatingの動作が拡張されている。省電力状態では、休んでいるCPU/GPUコアはまずCC6ないしPower Gating状態に入り、これが長期間続くとCPU OFF/GPU OFFになる。そして全コア/GPUがOFFになったら、外部のレギュレータを止める、という仕組みだ。
ただしノートPCの場合、画面は保持しておきたいという状況がしばしばある。このため、Power GatingはRegion A(CPU/GPU/IO Hub)とRegion B(Display/Memory/Multimedia)の2つに分離されている。
たとえば動画の再生中の場合、Region Bのみが生きており、ここがメモリーからデータを読み込み、Multimedia Hubの先のアクセラレーターを使って動画のデコードを行ない、その結果を画面(とMultimedia Hubの先の音声コーデック)経由で出力することでバッテリーの寿命を延ばせるとしている。
待機状態からの復帰が遅いと操作性を損なうので、これに関しても高速化されている。
こうしたメカニズムの結果、Raven Ridgeの性能は非常に改善したという。設計目標を大幅に超えた結果が達成されており、競争力のある製品になったとする。
この連載の記事
-
第798回
PC
日本が開発したAIプロセッサーMN-Core 2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第797回
PC
わずか2年で完成させた韓国FuriosaAIのAIアクセラレーターRNGD Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第796回
PC
Metaが自社開発したAI推論用アクセラレーターMTIA v2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第795回
デジタル
AI性能を引き上げるInstinct MI325XとPensando Salina 400/Pollara 400がサーバーにインパクトをもたらす AMD CPUロードマップ -
第794回
デジタル
第5世代EPYCはMRDIMMをサポートしている? AMD CPUロードマップ -
第793回
PC
5nmの限界に早くもたどり着いてしまったWSE-3 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第792回
PC
大型言語モデルに全振りしたSambaNovaのAIプロセッサーSC40L Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第791回
PC
妙に性能のバランスが悪いマイクロソフトのAI特化型チップMaia 100 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第790回
PC
AI推論用アクセラレーターを搭載するIBMのTelum II Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第789回
PC
切り捨てられた部門が再始動して作り上げたAmpereOne Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第788回
PC
Meteor Lakeを凌駕する性能のQualcomm「Oryon」 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU - この連載の一覧へ