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並列演算プロセッサーよりも高速かつ省電力なワンチップメモリー/演算素子

IBMリサーチ、AIで活用できる「計算するメモリー」を開発

2017年10月25日 18時00分更新

文● 行正和義 編集●ASCII

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「相変化メモリー」コンピューティング素子

 米IBM Researchは10月24日、AIや深層学習などへの応用ができるメモリー素子を用いて計算する技術を開発したと発表した。

 電流によって加熱されて結晶/非結晶と変化する「相変化メモリー」の物理現象を利用しており、時間によって変化する度合いをメモリーとして、アルゴリズムを用いてデータを重ね書きすることで演算処理として利用する。素子はCMOSプロセスで製作した1000×1000ドットのピクセル配列としてチップ化されており、データを繰り返して書き込むことでメモリー各セルのデータに強弱を付けることができる。

メモリーに記憶されるのが0/1だけでなく段階的な変化であることを利用している

 機械学習の原理的な技術で、同研究グループではすで同じ手法ニューロコンピューティングを行なっている。今回はとくにビッグデータにおける相関関係を調査に用いており、米国全域の降雨データから、2つの地点での関連性を得ることに成功している。

デモンストレーション:アラン・チューリングの似顔絵を重ね書きすることでデータ化(上)、米国の降雨データから各地点の相関を計算(下)

 ビッグデータから相関を計算することは従来のコンピューター手法では並列演算プロセッサーを用いても長時間の計算が必要で、研究グループでは最先端GPUを用いた計算と比べても200倍の計算が可能としている。

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