米IBM Researchは10月24日、AIや深層学習などへの応用ができるメモリー素子を用いて計算する技術を開発したと発表した。
電流によって加熱されて結晶/非結晶と変化する「相変化メモリー」の物理現象を利用しており、時間によって変化する度合いをメモリーとして、アルゴリズムを用いてデータを重ね書きすることで演算処理として利用する。素子はCMOSプロセスで製作した1000×1000ドットのピクセル配列としてチップ化されており、データを繰り返して書き込むことでメモリー各セルのデータに強弱を付けることができる。
機械学習の原理的な技術で、同研究グループではすで同じ手法ニューロコンピューティングを行なっている。今回はとくにビッグデータにおける相関関係を調査に用いており、米国全域の降雨データから、2つの地点での関連性を得ることに成功している。
ビッグデータから相関を計算することは従来のコンピューター手法では並列演算プロセッサーを用いても長時間の計算が必要で、研究グループでは最先端GPUを用いた計算と比べても200倍の計算が可能としている。