以前レビューしたフェンダーの小型Bluetoothスピーカー「NEWPORT」は「どうせ有名ブランドのロゴを貼っただけのものだろう」と高をくくっていたら、かなり気合の入った製品だった。
今ではしっかり反省しているが、ならば同時に発売された、より大型のモデル「MONTEREY」はどうかというのが、今回のお題である。価格は4万8384円。そしてなんと出力は120W! 価格も価格だが、Bluetoothスピーカーとしてはありえないくらいのハイパワーを発揮する。
ギターアンプブランドの付いた製品としては、マーシャルの「STANMORE BLUETOOTH」(4万6310円)と同クラスということになるが、あちらの出力が総合80Wだった。果たしてフェンダーはどれくらいやってくれたのか。
ポータブル型NEWPORTとの違い
パワーから言えば当たり前だが、このMONTEREYはAC電源専用設計で、小型のNEWPORTと違ってバッテリーを内蔵しない。そもそも6.80kgとかなり重く、取っ手もないので、持ち上げるのに一苦労する。据え置きで使いたい。
そして、なによりまるっきり造りがギターアンプのそれだ。まず、このネジ止めされた完全密閉型のバックパネルを見よ。
ノブやスイッチの付いた金属パネルは、チューブアンプのシャシそのもののデザイン。それを木製のキャビネットにはめ込んだスタイルは、コンボアンプそのまんまだ。
さらに細かいところを見ると、この電源プラグの形状だってそうだ。
3極タイプでギターアンプの電源ケーブルと同じ仕様。つまりギターアンプの電源コードがそのまま使える。これでギター入力用のフォーンジャックがないのが不思議なくらい。ためしに手持ちのフェンダーギター(ジェフ・ベックシグネチャー)と並べてみよう。
おお、実にサマになるではないか。若干奥行きが浅い点だけがそれらしくないが、このくらいのサイズ感だったら、1~5W程度のフルチューブアンプであってもおかしくない。
こうしたデザインは、現行製品のギターアンプ「'68 Custom Amplifier」と同じで、いわゆるシルバー・フェイス期の意匠をちりばめたもの。ハットノブ、ブルーのインジケーター、シルバーパネルに印字された字体まで、フェンダーのアンプを知っている人なら、そのディテールにニヤニヤしてしまうのではないか。