2017年9月1日からドイツ・ベルリンで開催されるIFA2017に合わせ、サムスン電子は8月29日に新製品発表会を開催。モバイル系の新製品としてスポーツ・フィットネスに機能を特化させたウェアラブルデバイス「Gear Sport」と「Gear Fit 2 Pro」の2製品を発表しました。また、小型の独立式ヘッドセット「Gear IconX 2018」も発表されています。
Gear S3シリーズをスポーツ向けにした「Gear Sport」
Gear Sportは円形ディスプレーを搭載したスマートウォッチ。ディスプレーの周囲には回転式のベゼルを備え、ディスプレーのタッチやベゼルを回転させることで操作が可能です。これは現在発売されている「Gear S3 classic」「Gera S3 frontier」とほぼ同じ機構。ディスプレーサイズは1.2型、解像度は360x360ドット。OSはTizenを採用します。本体はIP68の防水防塵対応、またMIL-STD-810Gにも対応。さらには50メートルまたは5気圧防水など、アウトドアスポーツでの利用を十分考慮した設計になっています。
ベゼル部分のすべり止めとデザインを兼ねる「溝」は細かく並んでおり、これはGear S3 classicと同じ形状のようようです。指先の引っ掛かりが良く、Gear Sportを腕にはめた状態で、右手または左手の親指と人差し指でベゼルをつまむようにして回すと小気味よく回転してくれます。
本体を右から見ると大きめのボタンを2つ備えています。上側が戻るボタン、下側がホームボタン。ボタン形状はGear S3 frontierと同じ形をしています。左側面にはボタン類は一切ありません。このあたりのデザインもGear S3シリーズを踏襲しています。
本体の背面、手首に当たる側には心拍計のセンサーを内蔵。なお、Qi方式の非接触型充電台が付属するため、本体には充電コネクタはありません。ベルトは20mmの市販の腕時計用のものと交換可能です。付属のベルトは肌触りも良く汗をかいてもべとつきにくい処理がされているようで、運動するなら付属のものを使うのがよさそうです。一方、ビジネスシーンなどで使う場合は革ベルトなどに交換するのもよいでしょう。
さて操作はGear S3/S2シリーズと同等で、ベゼルを右に回せば登録しておいたウィジェット・アプリが次々に切り替わるので、すぐに使いたいアプリを呼び出すことができます。運動中に心拍数を見たいなんて時も、指先でさっとベゼルを回せば心拍計を呼び出せるなど、フィットネス利用時にこのUIは適していると感じました。また、左に回せばペアリングしているスマートフォンからの通知を表示できます。
ホームボタンをダブルタップすれば内蔵アプリがすべて表示されます。こちらも円周に沿って丸いアイコンが並ぶので、ベゼルを回してタップすれば起動可能です。なお、Gear SportではSpotifyやUNDER ARMOURと新たに提携を開始。Spotifyのオフラインミュージックの再生を単体で行なったり、UNDER ARMOURのフィットネスアプリとの連携が可能になりました。
Gear Sportの言語はスマートフォンの表示言語に自動設定されます。発表会会場に展示してあったGalaxy Note8の言語を英語から日本語に切り替えると、Gear Sportの言語も自動的に日本語に変わりました。すでにGear S2/S3シリーズが日本で販売されていることから、同じOSを使うGear Sportの日本語対応も問題なさそうです。ただし、日本での発売は発表会でアナウンスされませんでした。
リストバンド型の「Gear Fit2 Pro」は水泳中も利用できる
リストバンド型で手軽に運動時の活動量を記録できるアクティビティトラッカーのGear Fit2 Proは、2016年発売のGear Fit2のブラッシュアップモデル。新たな機能としてスイムウェアなどを手掛けるSpeedo社と提携し、同社のスイミングアプリへ対応しました。これはGear Sportも対応しており、水泳時のタイムや水泳スタイルなどを記録できるというもの。ウェアラブルデバイスが陸上だけではなく、水中の運動にも対応するのです。
本体の形状はGear Fit2とほぼ変わりません。ディスプレーは曲面の有機ELでタッチ操作対応、1.5型216×432ドットと縦長です。本体右側面にはGear Sportと同様に「戻る」「ホーム」ボタンが、左側には何もありません。見えない部分ですがGear Sport同様に50メートルまたは5気圧防水になりました。
またGear Fit2からベルトの形状が変わりました。まずレッドとブラックではベルト表面のデザインが異なっています。またベルトの止め方が腕時計などと同様の方法になりました。Gear Fit2はベルトの穴に留め具をはめ込んで固定していたため、やや装着しにくいという欠点があったのですが、これが大きく改善されたのです。
UIはGear Fit2と同じ、曲面ディスプレーを左右スワイプ、上下スワイプで操作する方法。左右のスワイプで通知やウィジェットを呼び出せます。また、ホームボタンからメニューを呼び出して、上下スワイプでアプリを選んで起動します。Gear Sportよりもシンプルな操作なので、使い方はすぐに慣れそうです。
充電は2ピンの接触型端子を使います。本体裏側にはその端子と、心拍センサーを備えます。販売国についてはこちらもアナウンスが無く、日本での販売も未定とのこと。
音声操作に対応した左右独立型のBluetoothヘッドセット
「Gear IconX(2018)」
耳の穴に直接はめ込める超小型のヘッドセット、Gear IconXの新型モデルとしてGear IconX(2018)も発表になりました。前モデルからの大きな進化は音声操作への対応です。
サムスンの音声AIアシスタント「Bixby」に対応し、IconX 2018本体内の4GBメモリーに保存した音楽の再生操作や、ペアリングしたスマートフォンの操作を音声で行なえます。
公式リリースによると、対応言語は英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、中国語、韓国語、日本語とのこと。発表会会場には製品が展示されていたものの、スマートフォンとはペアリングされておらず、音声認識はテストできませんでした。しかし日本語対応ということは、日本での販売も期待できそうです。初代モデルは日本では「Galaxy S7 edge オリンピックエディション」と同梱限定でした。デザインもよりスタイリッシュになったIconX 2018、ぜひ日本で販売してほしいものです。
この連載の記事
-
第29回
AV
Alexa一色だったCESから、Googleの反撃始まる? 広がるAIスピーカー -
第28回
スマホ
ドイツはプリペイドSIMの販売規制が開始 SIMフリースマホユーザーは注意 -
第27回
デジタル
単眼カメラで3Dスキャン! Xperia XZ1シリーズの新機能「3D Creator」がスゴい -
第26回
スマホ
TCLが日本発売予定の「BalckBerry KEYone BLACK EDITION」などを展示 -
第25回
デジタル
「縦長ディスプレー」と「2眼カメラ」のXperiaを出さないワケは? Xperia XZ1開発者に直撃 -
第24回
デジタル
会場で注目のARゲーム レノボ「Star Wars/ジェダイ・チャレンジ」を体験してきた! -
第23回
スマホ
400GBのmicroSDカード! サンディスクが世界最大容量の「Ultra microSDXC」を発表 -
第22回
デジカメ
THETA愛好者がIFAでチェック! 最新モデル「THETA V」に買い換えたいポイントは無線と録音! -
第21回
デジタル
Xperia XZ1の側面には樹脂ラインが出現!? XZ1/XZ1 CompactとXZをじっくり比較 -
第20回
デジタル
フォッシルグループの最新スマートウォッチは「真円ディスプレー」を採用 -
第19回
スマホ
新型iPhoneもこの流れに!? これからのスマホはアシスタント機能と縦長ディスプレーだ - この連載の一覧へ