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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第89回

米海兵隊のバックパックのメインパックを組んでみました

2017年08月20日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

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4つのパーツを組み合わせます

 米海兵隊のUSMC Pack System解説の3回目となる今回は、予告どおりメインパックの組み直しです。

 メインパックは最初から組んであったんですが正しく組まれているかわからないし、ザックリ見ているだけだと、たくさんあるベルト類の役割がよくわかりません。こういうときは面倒でもいったんバラして組み直してみた方が、各部の機能を早く把握できるというもの。組み方は付属のマニュアルに載っていたので、それを見ながらやってみることにしました。

 メインパックを構成するのはメインバッグとフレーム、ショルダーハーネス、ヒップベルトの4パーツ。メインバッグは名前のとおりメインのバッグで、これがなくちゃ始まりません。頑丈なプラスチック製フレームで全体を支え、ショルダーハーネスとヒップベルトで肩と腰にガッチリ固定されます。

右がメインバッグ、隣がフレーム、左がショルダーハーネス、下がヒップベルト

フレームにショルダーハーネスを取り付ける

 メインパックの主役はメインバッグですが、システムの中心となるのはフレームです。フレームにショルダーハーネス、ヒップベルト、メインバックの順に取り付けていきます。

 まずはショルダーハーネスの準備から。ハーネスを平らに置き、縦に付いている4本のストラップを横向きに付いているベルトに通します。次にハーネスにフレームを乗せて、縦のストラップ2本と横のストラップ4本をフレームの穴に差し込みます。

 フレームの穴はスロットと呼ばれ、1~10の数字とA~Eまでの英字が付けられていて、どこにどのストラップを差し込めばいいかがすぐにわかるようになっています。縦ストラップはスロットナンバー3と4、横ストラップは1と2、5と6から外に出し、それぞれギュギュッと締めます。

ショルダーハーネスを平らに置きます

縦のストラップ4本を横向きに付いているベルトに通します

フレームを乗せて、ストラップを所定のスロットから引っ張り出します

スロットには1~10とA~Eのナンバーが振られています

フレームに付けられたスロットナンバー

左右3本ずつ計6本のストラップを締めて固定します

ヒップベルトを取り付ける

 ショルダーハーネスが装着できたら、次はヒップベルトです。

 ヒップベルトを平らに置いてフレームを乗せ、左右のストラップをスロットに通して締めます。使うスロットはBCDEの4ヵ所。続いて、中央に十字に付いているストラップのうち縦のストラップをスロットAから出し、横→縦の順に締めます。

ヒップベルトには左右に2本ずつ、中央に十字に2本の計6本のストラップが付いています

左右4本のストラップをフレームのスロットに外から差し込み、バックルで締めます。ストラップの先端は差し込んだスロットから外へ

中央の十字のストラップを横縦の順に締めればフレームアッセンブリーの完成!

メインバッグを取り付ける

 フレームアッセンブリーにメインバッグを取り付けます。

 メインバッグの上部にフレームを差し込み、ショルダーハーネスの真ん中についているストラップをバックルで固定します。メインバッグのサイドにあるリブをフレームのスロット7と8に差し込んで、その下にあるストラップを締めたら取り付け完了です。

メインバッグにフレームを差し込んで先端のバックルを外に出します

外に出したバックルにショルダーハーネスのストラップをつなぎます

メインバッグ左右にあるリブをフレームのスロット7と8に差し込みます

ヒップベルトの上あたりにあるストラップでフレームに固定します

ショルダーハーネスとストラップを取り付ける

 ショルダーハーネスから下部ハーネスを外し、フレームのスロット9と10に取り付けます。

 ショルダーハーネスの上下を繋いでいる部分はクイックリリースという機構になっていて、ストラップを引っ張ると簡単にハーネスを切り離すことができます。命に関わるような緊急の場合に荷物を即座に捨てるための機能です。さすが軍用って感じですね。

 最後に、バックルが2個付いたストラップをフレーム下部のスロットに取り付け、メインバックと接続します。腰のあたりにあるリブを空いているスロットに差し込んで、ショルダーハーネスクイックリリースを元どおり差し込めば完成!

ショルダーハーネスから下部のハーネスを外します

下部ハーネス先端のループをフレームのスロットに差し込み、ループにハーネスを通してギュッと引っ張って固定します

バックルが2個付いたストラップをフレーム下部のスロットに取り付けます

ストラップのバックルをメインバッグの裏側のバックルに接続

先端のバックルはメインバッグのPALSウェビング2ヵ所に通し、真ん中あたりにあるバックルに接続します

メインバッグの腰部分にあるリブをフレームに差し込みます。差す場所は空いてるスロットならどこでもオーケー

ショルダーハーネスを元に戻せば完成!

ショルダーハーネスにはクイックリリースを装備。このストラップを引っ張るだけでハーネスの上下を切り離すことができ、緊急の時に荷物を即座に廃棄できます

背が高い人でも大丈夫

 ワタシは身長が171cmなんですが、もっと背が高い人だと胴も長く、ヒップベルトが上に上がり過ぎてしまう可能性があります。それを避けるため、一部を組み替えることで全長を伸ばすことができます。

 マニュアルでは5フィート8インチ、約172.7cmより背が高い人は別のセッティングがオススメとなっています。違うのはショルダーハーネスの組み方です。

 縦のストラップは横向きのベルトに通さずそのまま使い、一番上の横ストラップは使用しないのでバックルに通して固定してしまいます。こうすることで縦ストラップの位置が下がり、フレームが下がった位置で固定されることになるため、全長が伸びるというわけです。よくできてますね。

 両サイド中央のリブは位置がズレるのでフレームに差し込めなくなりますが、ちょうどその位置にショルダーハーネスのバックルが来るようになっているので、そこに差し込めばオーケーです。

背が高い人の場合はストラップの組み方を変えます。縦のストラップを横向きのベルトに通すのをやめます

右はノーマル。フレームが下がっているのがわかります

フレームとタブの位置がズレて差し込めなくなるので、タブはショルダーハーネスのバックルに差し込みます

 PALSウェビングが付いたボディーアーマーなどを着る場合、スターナムシンチというストラップを使うとバッグをアーマーに固定することも可能です。スターナムは胸骨のことで、胸の部分に固定するためのストラップです。両端のプラスチック部分をPALSウェビングに差し込むのですが、アーマーを持っていないので試せません。残念~。

 ちなみにこのスターナムシンチはバックパックで有名なミステリーランチ製。MYSTERY CINCHと書かれたラベルが付いています。

スターナムシンチはこのあたりにこんな感じで付きます

ラベルにはミステリーランチのロゴとMYSTERY CINCHの文字

 組み直す前はストラップやバックルが余っているように見えたんですが、組んでみたらいずれも役割があって余りなんてないことがわかりました。ついでに破れや汚れがないこともチェックできたし、やっぱり組み直してみてよかったです。

 ボディーアーマーか……。

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