国内3社と協業し、市場実績のあるクラウドサービスの提供で顧客課題の解決を支援
デル、中堅企業“ひとり情シス”支援でクラウドサービス販売開始
2017年07月04日 07時00分更新
デルは6月30日、国内中堅企業(従業員100~999名規模)を対象としたクラウドサービスの提供開始を発表した。ラクス、カゴヤ・ジャパン、エックスサーバーの国内3社と協業し、市場で実績のある10のサービスをラインアップし、デルが販売窓口となり提供する。2月に発表した中堅企業向けの“ひとり情シス”支援策の一環。
今回提供を開始するのは、以下の10サービスとなる(各リンク先はデルによるサービス説明)。
・経費精算/交通費精算:「楽楽精算」(ラクス)
・帳票発行/給与明細:「楽楽明細」(ラクス)
・汎用Webデータベース:働くDB(ラクス)
・メールホスティング:メールエンタープライズ(カゴヤ・ジャパン)
・問い合わせメール共有/対応:メールディーラー(ラクス)
・グループウェア:desknet's NEOプラン(カゴヤ・ジャパン)
・ナレッジ共有:PukiWiki(エックスサーバー)
・ホームページ/ブログ:WordPress(エックスサーバー)
・ファイル共有:ファイル管理プラン(カゴヤ・ジャパン)
・バックアップ:クラウドバックアップ(カゴヤ・ジャパン)
デル日本法人では今年、セキュリティセミナーの全国開催、中堅向けソリューションパッケージの提供、インサイドセールス人員の増強など、中堅企業向けビジネス施策を強化してきた。その中で2月には「中堅企業IT動向調査」の結果を発表し、社内のIT運用管理を1人でカバーする「ひとり情シス」およびIT専任担当者不在の中堅企業が3割弱を占めるなど、国内中堅企業におけるIT運用や投資の実態を明らかにしている。
デル日本法人で中堅企業向けインサイドセールスを統括する広域営業統括本部 執行役員 統括本部長の清水博氏は、中堅企業向けビジネスでクラウドサービス販売に着手する理由について、PCやサーバーだけでなくクラウドも交えた提案案件が増加してきていること、“ひとり情シス”顧客は新サービス導入の検討時間が足りずワンストップで購入したいと望んでいること、デルのインサイドセールス人員がITコーディネータ資格などを取得しクラウド提案も可能になってきたこと、の3点を挙げた。
具体的には、デルから顧客へのこれらのサービスを提案するほか、デルが顧客への販売窓口も務める。またサポートに関しても、3社とデルのエンジニアが協調して問題切り分け等に当たっていくとした。共同マーケティングなどの展開も検討していく。
また、今回の3社と協業した理由について清水氏は、国内中堅中小企業市場における「高い納入実績」「コスト優位性」「ターゲットが同一顧客」、さらに「デル製品の運用実績」の4つだと述べている。
デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業本部 広域営業部 部長の木村佳博氏は、2月の顧客調査によって、徹底的な自動化、検討時間の削減など「“ひとり情シス”向けIT要件」が5つ浮かび上がってきたことを説明し、中堅企業へのクラウドサービス提供を通じて、こうした課題を網羅的に解決していくと語った。
なお、今回のクラウドサービスラインアップについて清水氏は、総務省のクラウド利用動向調査の結果を示しながら、クラウドユースケース全体の「およそ7割をカバーできる」と説明。さらに今後、人事管理や財務会計、ERPなどのクラウド移行も、市場の推移を注視しながら「積極的に(提供ラインアップに)取り込んで行きたい」と説明している。